釈量子の志士奮迅 [第24回] スペシャル対談 In 香港 李柱銘
2014.06.28
2014年8月号記事
第24回
釈量子の志士奮迅
世の中は変えられる!
釈量子
(しゃく・りょうこ)幸福実現党党首。1969年東京都生まれ。國学院大学文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
スペシャル対談in香港
香港民主党初代党首
李柱銘氏
中国の未来は香港が握る
李柱銘
(マーティン・リー) 香港民主党初代党首。1938年香港生まれ。弁護士として、イギリスの植民地時代は女王の顧問を務め、香港特別行政区基本法の作成にも関わった。香港民主化運動のリーダーであり、直接選挙が実現すれば行政長官になると言われる。
7月1日の香港返還記念日に先立ち、ネットオピニオン番組「ザ・ファクト」の企画で、民主化運動を主導してきた香港民主党の初代党首・李柱銘(マーティン・リー)さんと対談しました。
香港は中国の一部でありながら、「一国二制度」の下で、高度な自治や資本主義が認められています。しかし北京政府は、2017年に行われる予定の普通選挙で、政府の意向に沿わない人物は立候補させないと示唆。中国国民としての「愛国教育」の導入を求めるなど、思想・言論の統制を強めつつあります。
一方、香港人も、大規模な民主化要求デモや、天安門事件犠牲者への追悼集会を行うなど、運動を活発化させています。香港の動きは中国本土に与える影響も大きく、この地が、中国、そしてアジアの未来を左右するといっても過言ではありません。香港や中国の未来について、李さんに話を聞きました。
◇ ◇
釈量子党首(以下、釈): まず、香港の民主化の現状をどう思われますか。
李柱銘(以下、李): とても悲しいです。香港返還から17年も経っているのに、まだ「真の民主化」にたどり着かない。香港基本法では、2007年に普通選挙を実施するはずでした。しかし、北京政府はそれを延期し続け、次の17年にも、実現するかどうか分からない状況です。
「香港人」は自由な政治制度を大切にしている
釈: なぜ香港基本法が守られず、選挙が行われないのですか。
李: 現在の香港トップの梁振英行政長官も、事実上、北京政府に選ばれた人物です。重要な決定は全て北京政府が行っています。北京政府は、香港をコントロールできなくなるのを恐れているのです。
釈: 国際的には、このまま香港は中国にのみ込まれていくと考えている人は多いでしょう。 ただ私は、繁栄を味わった人間は決してそれを忘れることができないと思います。 香港人のアイデンティティーについてどう考えていますか。
李: 大部分の人が、中国とは違う「香港人」と思っています。私たちは、このような対談も許される、自由な政治制度を大切にしているのです。
香港が中国のリーダーとなる時期が来ている
釈: 香港が経済的に繁栄している背景には、自由や民主主義といった価値観があります。中国も自国の繁栄を求めるなら、それを理解しなければいけません。
李: それを伝えるには、まずはここ香港で一日も早く「真の民主主義」を実現することです。
そして、 中国の指導者が香港の民主主義、繁栄、法の支配、自由の素晴らしさを実感して、勇気をもってそれを中国にも取り入れることを望みます。
釈: 香港の方々は、「自分たちが中国を啓蒙していくリーダシップ、責任を持つ」と覚悟を決める時期に来ていると思います。
李: その通りです。中国は「一国二制度」が維持される50年の間に、香港に追いつけるでしょう。どんな独裁も長くは続きません。冷戦後の東ヨーロッパを見てください。多くの共産主義国が次々と倒れていきました。私は、中国の13億人が自由を享受し、自分たちの投票で指導者を選ぶというビジョンを持っています。
釈: 李さんは、カトリックの信仰をお持ちだと聞きます。それはどのような形で、李さんの政治的な活動に影響を及ぼしていますか。
李: カトリックの信仰を持てたことは幸運です。香港の状況がどんなに厳しくても、どんなに自分の無力さを感じても、神は全能です。神は未来がどうなるかをご存知で、私たちを導いているので、何も心配することはないと思っています。
釈: 私たち幸福実現党も、民主化された中国の若者たちが、アジアの若者たちと手をつなぐ時代が来ると信じています。最後に、香港の民主主義を維持するために、日本に何を期待されますか。
李: やはり、中国の指導者に「約束を守れ」と圧力をかけてほしいと思います。
釈: ありがとうございました。
◇ ◇
幸福の科学第五編集局 編
幸福実現党出版
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釈量子の守護霊霊言
目からウロコ! 幸福実現党の新党首の秘密
大川隆法著
幸福実現党出版
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大川隆法著
幸福実現党出版
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香港の街を歩くと、その豊かさに驚きます。1キロ平方メートルあたりのジュエリー・ショップ数が世界一と言われ、立派な商業施設やオフィスも立ち並びます。香港人なら、中国の人々に繁栄の方法を教えられると確信しました。「中国民主化」の鍵を握るのは、香港の自由です。
また、李さんは「次は若者が時代を変える番だ」と語っていました。香港当局は昨年、北京政府の言われるまま進めていた、「愛国教育」導入を撤回。そのきっかけは、当時15歳だった少年、ジョシュア・ウォン君が率いる9万人のデモでした。台湾が中国と結ぼうとした「サービス貿易協定」に反対して、国会を占拠したのも学生たちです。若者は、中国への経済依存などのしがらみにとらわれず、純粋に「自由」や「愛国心」という価値を守ろうとするのです
今回は、アジアの自由と民主主義を守る、「希望」を見出せた香港訪問となりました。
今回、香港民主党女性党首の劉慧卿(エミリー・ラウ)氏とも会談し、中国やアジアにとっての香港の重要性、女性政治家の役割などに関し、意見を交換しました。
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