増税判断は7~9月のGDP成長率 公共事業で数字をつくる財務官僚
2014.03.26
4月より消費税が5%から8%に増税される。さらに来年秋に10%まで引き上げるか否かを、今年7~9月の実質GDP成長率を見て判断する予定だ。
政府は、今回の増税による景気の冷え込みを和らげるために、2013年度補正予算に5.5兆円の経済対策を盛り込んでいる。また、公共事業を早く実施に移すために、財務省と関係省庁のやり取りも活発になっているという。財務省幹部が、「すべては7~9月にかかっている」と漏らしたように、もしここで景気が腰折れしたら、消費増税は見送ることになる。(25日付日経)
財務省幹部の発言に見る通り、今回の経済対策は景気回復のためではなく、消費増税を通すためにGDP成長率を水増しするのが目的だ。
8%への消費増税を決定したときには、2013年4~6月の実質GDP成長率4.1%という数字(2013年9月時点発表)をもとに判断したが、この成長率は公共事業を集中的に実施して、人為的につくったものだ。実際、この年の後半は公共事業の減少と共に成長率が大幅に落ち込み、年間通じての成長率は2%にも届かなかった。
今回も、7~9月の成長率だけよく見せるために、公共投資を増やしているわけだ。
そもそも、アベノミクスの目的は脱デフレであったはず。それを達成するには、成長率ではなく、国民所得が増え、それに伴って物価が上昇することが必要だ。だが実情は、安倍晋三首相が企業に賃上げを要請しなければならない状況だった。それに応じた企業はあるものの、収益増を背景にした自然増ではないため、いつまで続くものかは分からない。従業員としても、消費より貯蓄に回したくなるのが本音だろう。
日本経済はまだ、今回の消費増税に耐えられる状態ではなく、4月以降の景気は深刻な状況になるだろう。
さらなる10%への増税など、日本経済を完全に破壊してしまう。政治家も国民も、財務省に何度も騙されるべきではない。今年7~9月の成長率は、財務省がすでにつくる準備に入っていることを忘れてはいけない。(居)
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2014年3月15日付本欄 減速する日本経済 消費増税の根拠はすでに崩れている
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7521
2013年10月2日付本欄 安倍首相8%へ消費増税を決断 ニッポン沈没の引き金を引いた?
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