米デフォルト回避・政府閉鎖解消 「共和党悪者論」の空気に注意
2013.10.18
米議会の上下両院は16日夜(日本時間17日午前)、政府の債務上限を引き上げて債務不履行(デフォルト)を回避するとともに、暫定予算を認めて政府機関の一部閉鎖を解消する法案を可決した。今回、問いたいのは、この混乱の"元凶"のように伝えられている共和党の「役割」についてだ。
現在アメリカでは、議会の上院は民主党、下院は共和党が過半数を占める「ねじれ」状態にあるが、日本と異なり予算の決定には上下両院の承認がそれぞれ必要となる。だが、新しい会計年度が始まる10月1日までに、2014年度予算案が通らなかったため、政府機関が一部閉鎖されていた。下院の過半数を占める共和党が、「医療保険制度改革法(オバマケア)」関連の支出を含む予算案に反対していたためだ。
また同時期に、米国債の発行額が法律で定められた「債務上限」に達する見込みとなり、政府がこれ以上、借金を増やすことができなくなる期限が迫っていた。政府が、国債発行などによって資金の借り入れができなくなれば、支払期日がやってきた他の債務に対する返済が滞り、デフォルトに陥る。そうなると米国債の信用が失われるため、経済的な混乱につながり、世界恐慌を懸念する声さえも出ていた。
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