【注目書籍】「国家の成熟」を「燃える闘魂」で打ち破れるか
2013.09.26
「成長率が鈍化するのは当然」
そんな議論が絶えない。日本はすでに世界有数の経済大国になっているから、低成長でも仕方がないというわけだ。
その代表的論客が榊原英資氏だ。新刊『国家の成熟』(新潮新書)のなかで、日本はすでに「世界で一番豊かだ」とした上で、「成熟段階に達した日本が今後目指すべきは、ヨーロッパ型福祉社会であり、多くのヨーロッパ諸国のように所得の再分配を積極的に進めるべき」と主張する。
よくある議論だが、ヨーロッパは日本の目指すべきモデルにはならないだろう。
経済的にも歴史的にも文化的にも、日本は決して劣っていない。むしろ、進んでいる。逆にヨーロッパが日本を見習うことが多いはずだ。
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