安倍首相が「憲法96条改正」に固執 だがそれで間に合うのか

2013.04.17

安倍晋三首相が16日付読売新聞でインタビューに応じ、憲法改正への道筋を語っている。憲法改正の発議要件を定めた96条の見直しをまず最優先にし、そのために夏の参院選で改正に前向きな勢力を3分の2以上確保したいとしている。だが、北朝鮮が今にもミサイルを発射し、第二次朝鮮戦争の危機も迫っているのに、それで間に合うのだろうか。

安倍首相は、憲法改正の行程を以下のように語っている。

  • (1)夏の参院選で勝利し、改正に前向きな3分の2の勢力を確保。
  • (2)幅広い支持を得やすい96条の改正に着手。
  • (3)集団的自衛権の行使に関しては憲法解釈の変更で対応する。

安倍首相としては、まず「憲法改正手続きのハードル」を下げること、つまり「衆参3分の2以上」の発議要件を「過半数」レベルに引き下げたい。しかし、これも憲法改正に当たるから、この改正をする前提として、夏の参院選で大勝し、参院での「3分の2」を確保したいということだ。

それを確保できると、96条改正案の衆参両院が可能となり、国民投票を経て、過半数を得る。これが実現してようやく、具体的な9条改正などへの道が開けるわけだ。

安倍首相の悲願でもある憲法改正だから、96条の手続きの改正で、憲法改正をしやすくするというのは、それなりに理解できる。しかし、手続きを変えるための国民投票などをしている時間的余裕があるのだろうか。現に今、北朝鮮が「人工衛星」でなく「ミサイル発射」を予告している。これは宣戦布告と言ってもよく、まさに"戦争前夜"なのだ。

国民の意識も急速に変わってきている。フジテレビの世論調査(4月11日調査、14日発表)によれば、「周辺国が日本にミサイルを発射しようとした場合に発射基地を攻撃できる装備を保有すべきか」の問いに対して、「保有すべきだ」が59.6%に達している。

安倍首相は参院選で勝つために「安全運転」をしようと、国防に関しても極めて自制的な態度をとっているが、その間に国民の方が北朝鮮や中国の横暴に強い危機感を抱いている。有事即応体制を取れるように首相としての強いリーダーシップを、今こそ発揮すべきだ。(仁)

【参考記事】

2013年5月号記事 迫りくる 第二次朝鮮戦争 - 「戦わないアメリカ」に日本は備えよ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5790

2013年4月8日付本欄 北朝鮮ミサイル破壊命令 マスコミも「良識」を身につけよ

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5864

2013年4月4日付本欄 安倍政権発足100日 批判を恐れず重要課題に取り組むべき

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5844

2013年1月31日付本欄 【そもそも解説】憲法改正の手続きって、どうなってるの?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5552


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