日銀総裁に黒田東彦氏、副総裁に岩田規久男氏
2013.02.26
政府は24日、次期日銀総裁にアジア開発銀行の黒田東彦(くろだ・はるひこ)総裁を、副総裁に学習院大学の岩田規久男(いわた・きくお)教授を起用する人事案を固めた。
二人とも、金融緩和論者として知られ、いわゆる「アベノミクス」を一層強力に推進する体制にする考えだ。
黒田氏は、東大法学部卒、財務省出身で、国際金融局長、財務官を歴任し、小泉内閣時代には内閣官房参与を務めた。その後、一橋大学院教授を経て2005年2月からアジア開発銀行総裁に就いていた。財務省出身者の起用は1998年に辞任した松下康雄氏以来15年ぶりとなる。ただ、これまでの財務省(大蔵省)出身者は次官経験者だが、財務官出身は黒田氏が初めてとなる。
財務官時代から大規模な円売り介入を展開した円高ファイターとして知られ、インフレ目標導入策も主張していた。
岩田氏は、リフレ派の代表格の学者で、長年にわたって日銀の政策を批判してきた人物。インフレ目標をはじめとする金融緩和を主張してきた。
以前、弊誌が岩田氏に取材した折には、「一度でいいから、我々リフレ派に(日銀総裁を)やらせてほしい」と言っていただけに、就任が決まれば、いよいよ同氏にとっても夢が叶うことになる。
政府案が実現すれば、正副総裁に金融緩和論者が揃うことになり、日銀の金融政策は大転換することになる。25日の株価は、先週末比276円58銭高と大幅に上昇。市場は期待感であふれた。
ただし、日銀総裁人事は、衆参両院で過半数の同意が必要となる。
与党は、参院では過半数の118議席まで16議席足りないため、野党の協力が必要になる。
みんなの党(12議席)は財務省出身者の起用を反対しているため、民主党(87議席)や日本維新の会(3議席)などの協力を得る必要がある。
一部黒田氏総裁案に容認論が出ている民主党の動きに注目だ。(村)
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2013年2月6日付本欄 【そもそも解説】日銀総裁はどうやって決まる?
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5574
2013年3月号記事 そもそモグラのそもそも解説 アベノミクスって何?
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