「迎撃率90%」イスラエルのミサイル防衛システム 日本の防衛は大丈夫か?
2012.11.27
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル政府との停戦合意が発効し、パレスチナ情勢はひとまず落ち着きを見せている。
今回の戦闘では、ハマスとイスラエル双方が「勝利」を宣言。ハマスはイラン製のロケット弾をイスラエルの最大都市テルアビブや首都エルサレムなどに発射した。これに対し、イスラエル軍は空爆や砲撃などで反撃、ハマスの軍事司令部など約1500カ所を爆撃した。
この中でイスラエルが昨年配備した短距離防空システム「アイアン・ドーム」が注目を集めている。ガザ地区から発射されたロケット弾421発を撃墜し、市民の被害を抑えたと報じられた。もともとこの防空システムの迎撃成功率は70%とされていたが、今回イスラエルは90%に達したと発表した。双方の医療当局者によると、ガザでの死者は民間人を含む162人、イスラエル側の死者は5人だったという。
日本は、このシステムと同等以上の能力を持つ国産の「11式短距離地対空誘導弾」の調達を昨年から始めており、来年には陸空自衛隊での配備が始まる見通しだ。また、これより射程の長い国産の「03式中距離地対空誘導弾」も陸自にて配備が進んでいる。
イスラエルの「アイアン・ドーム」は文字通り短距離のミサイル防衛システムそのものであり、日本の国防にとっても示唆に富むものだ。折しも北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射の兆候を見せている。日本は現実にはパレスチナやイスラエルと同じ状況に置かれている。これも今回の衆院選の大きな争点で、パレスチナ情勢と関連させて国防強化を訴える政治家の登場が望まれる。(弥)
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