関電・九電も電気料金の値上げ 原発再稼働なければさらに
2012.11.26
関西電力と九州電力は、2013年4月からの家庭向け電気料金の値上げを、今週初めに政府に申請する。東京電力の今年4月からの値上げと同じく、原子力発電所の停止に伴う火力発電燃料の費用の増加が原因だ。関西や九州でも、脱原発が家計を直撃することになった。
関電・九電ともに来春から、家庭用の電気料金をそれぞれ関電は約12%、九電は8%台半ば程度値上げする。1980年以来、33年ぶりの大幅改定だ。また、政府への申請を必要としない企業向けの電気料金の値上げも、それぞれ2013年4月から関電は約20%、九電は約15%の大幅値上げを予定している。
値上げの理由はもちろん、原発の停止に伴って出力を増やした火力発電の燃料代が嵩むことだ。東電の試算によれば、火力発電は原子力に比べ燃料費が約7倍かかる。
一方で、今後電気代の値上げが続くとみた経済産業省は、11月16日に電気料金値上げの申請手続きを簡略化した。申請項目を30個から9個に減らし、燃料費の増加だけを理由に電気料金を改定できるようにした。
その結果手続きしやすくなり、東電も2013年に再び約1割値上げするのではないかという観測もある。東電の今春の値上げの際は、「原発を再稼働させるという前提」で企業向けを平均14.9%、9月に家庭向けを8.46%という値上げに抑えたが、いまだに原発再稼働の見通しが立っていないためだ
東電、関電、九電のほかに、北海道電力、東北電力、四国電力も原発を再稼働できなければ値上げをするという。逆に、原発さえ再稼働すれば電気代は元に戻るはずだ。
現在、「原発推進」を明言しているのは幸福実現党だけだ。自民党は「すべての原発について3年以内の結論を目指す」と、はっきりしない。日本維新の会は「原発については安全基準や安全確保体制を構築」としているが、橋下徹氏はもともと「原発ゼロだ」と言っていた。民主は「2030年代に原発稼働ゼロ」と明言。社民、共産、「国民の生活が第一」、公明、みんなの党は文言は違っても、そろって「脱原発」だ。
電気料金が値上がり、家計が厳しくなり、日本経済がさらに沈んでいく道を選ぶのか、それとも原発を再稼働させ、電気料金が安くなり、日本経済が復活する道を選ぶのか。今回の衆院選の大きなテーマの一つだ。(居)
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