米大統領が中国系企業の風力発電事業に中止命令 日本も土地買収の危機に備えよ
2012.10.05
アメリカのオバマ大統領は、先月28日、中国系の電力会社ラルズコーポレーションが米海軍の規制空域内に風力発電施設の建設を計画していることに対し、安全保障上の問題から中止命令を出した。中国政府などが日本の土地を買収する動きがあるが、その対応策として参考になる事例だ。
アメリカ大統領には、外国企業の投資がアメリカの安全保障を脅かす場合、中止を命ずる権限がある。ラルズ社は、オレゴン州で風力発電所の建設を手がけていた米企業を買収したが、この風力発電所の敷地がアメリカ海軍の規制空域と重なるため、今回の中止命令が出た。事業の停止の目的には、中国資本が電力供給を握ることを避ける狙いがあると考えられる。
これに対して、日本では、海外からの土地などの買収に対する自衛策が確立していない。
特に近年、日本で問題になっているのは、中国等による土地買収だ。2011年には、新潟で在中国総領事館の建設用地として約4500坪もの民有地が中国政府に対して売買契約された。また、長崎県対馬市の海上自衛隊施設の隣接地が韓国資本に買われ、北海道倶知安町の陸上自衛隊駐屯地の隣接地が中国資本などによって購入されている。
しかし、こうした国防上危険な土地買収を防ぐ法律は整備されていない。そこで今後、以下のような対策を取ることが考えられる。
一つは、明らかに安全保障上の問題がある場合は、土地取得を制限できる法律を整備することだ。1926年に施行された外国人土地法は、安全保障上重要な土地を外国人が取得することを制限できるものだ。しかし、規制対象を指定した政令が廃止されてしまったため、現在機能していない。同法を再び機能させようとの動きをしている議員連盟もある。
もう一つは、外国資本による土地購入を国内経済の活性化につなげる代わりに、戦争状態など有事になった場合、資産没収を行える法律を作ることだ。海外から日本に投資されれば、相手国の内部で日本との争いごとが起きないよう経済原理が働く。これを抑止力に使うということだ。
国防上の脅威はブロックしつつ、海外に門戸を開き、経済的つながりを強化していくことで侵略的意図を持つ国を封じ込める。自国の防衛体制を整えると共に、経済的にも繁栄し、世界が日本の繁栄を望む体制をつくっていくべきである。(晴)
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