国家観のない「維新の会」には、国政を任せられない
2012.09.05
国政進出を目指し、今月半ばにも新党結成を予定している、地域政党「大阪維新の会」(代表:橋下徹大阪市長)に対して、4日付の大手紙が社説で批判的に論評した。維新の会は今月半ば、現職の国会議員5人以上の参加を得て新党を結成する予定。
▽読売:「社会保障と税の一体改革関連法に対する賛否も明らかにする必要がある」「脱原発依存を進めればエネルギー費用は増大し、産業の空洞化が加速しかねない」「大衆迎合色の濃い公約を提起している点は、気がかりだ」
▽朝日:「党首である橋下氏自身は立候補せず、市長にとどまるという。(中略)国政は片手間でできるような仕事とは思えない」「個別の政策をどう実現していくのかも、本当に難題の解決に結びつくのかもまだ見えない。さらに、その先にどんな社会像、国家像があるのかもわからない」
▽産経:「国政進出を唱えながら、自身の衆院選立候補については否定的な見解を繰り返している」「憲法9条をどのように変えるのかを具体的に示さないまま、国民投票に委ねる他人任せの姿勢も変わっていない」
維新の会が先月末にまとめた、次期衆院選の公約である「維新八策」の最終版では、「首相公選制の導入」「地方交付税の廃止。消費税を地方税化」「年金を賦課方式から積み立て方式に移行」「環太平洋経済連携協定(TPP)への参加」「脱原発依存体制の構築」などが並び、他にも、「道州制」や「日米同盟の基軸」などを盛り込んだ。
だが、今年2月時点の本欄でもすでに指摘したが、首相公選制や年金の積み立て方式への移行、TPP参加、日米同盟の基軸の方針など、維新の会の政策の多くが2009年に立党した幸福実現党の政策に極めて似ている。一方で、脱原発や道州制などは、幸福実現党とは真逆の政策だが、この辺りに、維新の会の国家観のなさ、地域政党の限界が透けて見える。
竹島や尖閣への不法上陸問題でも明らかなように、主権が脅かされている今、日本は現代的な意味における「富国強兵」、政治家に強いリーダーシップが求められている。ところが、維新の会の目指すところは、道州制や大阪都構想に代表されるように、「地方分権」によって国家をバラバラにして国力を弱める方向だ。
大川隆法・幸福の科学総裁が今年5月、橋下氏の守護霊を招いたとき、他国からの侵略の危険性について、氏の守護霊はこう語っている。「大阪国が独立するからね。大阪は、要塞にして防衛し、あとはロシアと中国に売ったらいいねん」「『北方四島を返してくれたら、東日本を売る』とかさあ。『震災に遭って、もう要らんから、東日本を売っちゃう』とかさあ」(『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』収録)。
ちなみに、守護霊とはその人の魂の一部であり、守護霊の霊言は、その人が潜在意識で考えていることである。
09年の衆院選で、国家観のない政権が誕生した結果、普天間移設問題の迷走で日米同盟に亀裂が入ったり、福島原発の事故が拡大したり、領土や増税問題など国難に見舞われ、そのマイナスを取り戻すために国民が膨大なツケを払わされている。
次の衆院選で、有権者が同じ過ちを犯せば、日本が再び立ち上がるには、膨大な労力と時間が必要になる。(居)
【関連書籍】
幸福の科学出版ホームページ 『徹底霊査 橋下徹は宰相の器か』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=763
【関連記事】
2012年2月12日本欄 大阪維新の会の公約は、なぜ幸福実現党に似る?
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3811
2012年5月号記事 橋下「維新の会」は、幕末の水戸藩? 編集長コラム
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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