【そもそも解説】憲法改正論議
2012.05.01
自民党が4月27日に憲法改正草案を発表したことで、にわかに憲法改正論議が起き始めている。同日にはみんなの党も、25日には、たちあがれ日本も、それぞれ改正案を打ち出している。
ポイントは、天皇をどう規定するかと、自衛隊をどう位置づけるかの二つだ。
今回、改正案を出した3党とも、天皇については「元首であり象徴」で一致している。
自衛隊については、自民党が「国防軍」、みんなの党は「国民投票で決定」、たちあがれ日本は「自衛軍」とする。
日本国憲法は1947年の施行以来、一度も改正されたことがない。
しかし、いわゆる9条問題が足かせとなって、国防のあり方が曖昧のまま現在に至っており、昨今の北朝鮮のミサイル問題や中国の領海侵犯などの問題が生じたことにより、憲法改正の議論がなされるようになっていた。
ところが、憲法を改正するためには、衆議院・参議院の両院の総議員の3分の2以上で発議し、国民投票で過半数の賛成が必要となる。
そこで、各党では、憲法改正を容易にするための改正案を出している。
■自民党 衆参各院の過半数で発議、国民投票の過半数で改正。
■みんなの党 立法議員の5分の3以上の賛成で改正、国民投票は不要。
■たちあがれ日本 衆参各院の過半数で発議、国民投票の過半数で改正。各院の3分の2以上の発議なら国民投票は不要。
先進国の多くは数十回のレベルで憲法改正をしているため、このような形での改正の容易化は必要だろう。
肝心の民主党には、憲法調査会は存在するが、党の改正案はいまだに発表されていない。
国難の時代であるからこそ、未来の指針としての国のあり方を規定する憲法案は、早急に発表されるべきだろう。
なお、こうした憲法改正案の公表の先駆けとなったのは、2009年の段階ですでに条文レベルで発表している幸福実現党だ。現在103条ある条文を16条にまで集約するという大胆な新憲法案を発表している。
天皇は元首ではなく、文化的象徴とし、大統領を国家の元首と規定した点、他党案と根本的に異なる。
また、自衛隊については、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍とする。
さらに、憲法改正については、国会の総議員の過半数以上の提案を経て、国民投票で改正するという内容だ。
各党の試案を比較し、国のあり方を真剣に考える時期が来ている。5月3日の憲法記念日を迎えるにあたって、憲法改正論議を、もう一段盛り上げたいところだ。(村)
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