映画「黒部の太陽」44年ぶりに一般公開 命がけの男たちのドラマ
2012.03.04
往年の名作映画「黒部の太陽」が本年、44年ぶりに3時間15分の完全版が一般公開されることとなった。
3月23、24日の東京国際フォーラムでのプレミア上映を皮切りに、全国の映画館、ホールなどで出前上映会を開催し、その収益は東日本大震災の被災地に寄付されるという。
また、3月17日には、NHKのBSプレミアムで、2時間20分の特別版が放映される。
映画「黒部の太陽」は、1968年、三船敏郎、石原裕次郎の二大スターが共演し、世紀の難工事である黒部ダム建設での壮絶な闘いを描いて大ヒットを記録した。しかし、石原裕次郎氏の遺志を継ぎ、特別なイベントを除いて、テレビ放映、ビデオ、DVD化もなされない「幻の映画」とされてきた。
コンピュータ・グラフィックなど、もちろんない当時。掘削現場の撮影は、愛知県豊川市の熊谷組工場敷地内に200メートルのトンネルを映画用に建設して行われたという。
当時、この映画を観て、命がけで工事に挑む男たちの姿に憧れ、土木建築の世界を志した若者も数多くいたそうだ。
2009年に民主党政権が誕生してから、「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、公共事業は大幅に削減されてきた。真っ先に凍結された八ツ場ダムがいい例だ。
しかし、昨年の東日本大震災では、コンクリートが人命や財産を守ったという事実を多くの人が目の当たりにした。これからの復興にも、やはりコンクリートが重要である。
公共事業で建造されたものは、日本の資産となり、後の世の人たちの暮らしを支えていく。それは、今も威容を誇る黒部ダムを見れば明らかだ。
先人たちが命がけで国づくりをしてきたからこそ、今の日本の繁栄があり、私たちはその上に生かされているということを忘れてはならないだろう。(泰)
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2011年6月号記事 コンクリートは人を守る
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