オバマ大統領インタビューに伺える、「米国の後退」の本音
2012.01.26
米誌タイム1月30日号にオバマ氏独占インタビューが掲載されている。大統領就任以来の外交成果に関する質問に対する答えから、いくつかポイントを見てみよう。
Q 大統領になる前と今で、外交に関する考え方はどう変わった?
A イラク戦争を終わらせ、アルカイダを倒すことに集中し、多国間交渉における同盟関係と米国のリーダーシップを強めることができた。米国のリーダーシップは中国、インド、ブラジルなどの台頭を認め、資源面と能力面における米国の限界を認めたものになっているが、総じて我々の戦略は成功している。
Q イランは米国の圧力に対し、譲歩の姿勢を見せない。対イラン政策は失敗するのでは?
A 我々の目標は、圧力と、彼らが正しい意思決定をする機会とを組み合わせ、国際社会を結集して圧力を最大化することだ。イランが賢明な道を選ぶ保証はない以上、彼らに核兵器を持たせないためのあらゆる選択肢を排除しない。
Q 中国では、あなたの直近のアジア外交は中国封じ込め政策(a containment policy)と受け止められている。
A 違う。米国は現在もこれからも太平洋の強国(a Pacific power)であるとのシグナルを送っているのだ。中国が平和裏に発展することこそ、皆にとって望ましい。我々は、環太平洋諸国は共通のルールに従うべきだと主張しているだけで、それは中国に限ったことではない。
本誌は兼ねてからオバマ氏の潜在意識(守護霊)の考えとして「米国を世界の警察の役割から退かせ、白人文明の米国の一国繁栄に幕を引きたい」との本音を指摘してきた。このインタビューではイラク戦争や対アルカイダの成功を強調しているが、「米国の限界」を口にしている点や「国際社会の結集」「環太平洋諸国の共通ルール」などの言い方に、米国の力を相対的に弱めようとの潜在意識が伺える。日本はやはり米国頼みでなく、自国の安全保障に責任を持つ当たり前の姿を考えねばならない。(司)
【関連記事】
2009年1月号記事 オバマ大統領・守護霊インタビュー
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画