「グアム移転凍結」は"天の助け"か
2011.12.15
米国議会が、沖縄・普天間基地の海兵隊のグアム移転費用を全額削除することで合意した。
14日付各紙が報じているが、総合すると、米議会は、普天間基地の辺野古移転がまったく進展せず、日本政府が年内に環境影響評価書を沖縄県に提出しても地元の同意を得られる見通しはないと見て、グアム移転を凍結した。凍結解除の条件として、普天間問題の具体的な進展の保証が必要だとしている。
この結果、残された選択肢は、一つは辺野古移転を進めて海兵隊のグアム移転を実現すること、もう一つは辺野古移転を断念して、米軍海兵隊はグアムに移転せず、現在の普天間基地にとどまることだ。
前者は沖縄の反対がすさまじく、容易には実現できない。となると、今のまま普天間にとどまる「最悪の事態」となると各紙は言う。
しかし、これは見方を変えれば、"天の助け"かもしれない。結果的に世界最強の米海兵隊が沖縄にいてくれれば、日本ばかりでなく台湾にもにらみが効き、中国の軍事的脅威に強い抑止力となる。
鳩山元首相が「県外移転」を約束して大騒ぎになり、散々迷惑をかけて辞める間際に「抑止力というものを勉強した」と信じられないような言葉を残した。だが、もともと2006年から進めていた米海兵隊のグアム移転を引き延ばして、日本を守る先兵としていてくれることになれば、結果的に沖縄県民や国民の世論を「民主党離れ」に導き、日本の国難を救うという、「意外な効果」をもたらすかもしれない。(仁)
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