アメリカにならい日本も都市インフラの拡大を "Newsダイジェスト"
2011.10.27
世界でもっとも忙しいと言われるシカゴのオヘア空港
2011年12月号記事
拡大を続ける「交通の要衝」
アメリカで大規模なインフラ投資のプロジェクトが動いている。
歴史的に内陸交通の要衝を担ってきたシカゴ。その空の玄関口であるオヘア国際空港は、年に百万ちかい便が発着する、世界でもっとも忙しい空港のひとつである。
そのオヘア空港は、変わりやすい天候と滑走路配置の不具合により、飛行機の遅れに悩まされてきた。そこで2005年に開始されたのが、オヘア近代化計画(OMP)という改修プロジェクトである。
66億ドルをかけた全米最大規模のこのインフラ計画は、滑走路の延長や廃止、新設とともに、ターミナルなど空港設備にも改修を加え、2015年にも完成する予定だ。
OMPによる空港の改修で、飛行機の遅延は約80%も減る見通し。またシカゴ市によれば、このプロジェクトによって 新たに約20万の雇用が創出されるほか、180億ドルの経済効果が見込めるという。
日本では、「一度造ったら終わりの公共事業など、税金の無駄遣い」という「公共投資悪玉論」がまかり通っており、その論理は、民主党政権による唐突な公共事業見直し・凍結の口実ともなった。しかし、 一度造った空港や鉄道などのインフラは、公共の資産として国民生活に役立つものである。またオヘア空港の事例が示すように、インフラは定期的にリノベーション(改修)を要するため、そのたびに需要を創出する効果もある。
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