天安門事件も目撃したインド元外交官が語る、共産党プロパガンダの"洗脳力"【インタビュー(中編)】

2026.04.11

インド・中国分析戦略センター会長

ジャヤデーヴァ・ラナデ

インド政府内閣官房の次官補、国家安全保障諮問委員会(NASB)の委員、駐ワシントン・インド大使館の公使などを歴任。現在は、中国分析戦略センターの会長を務める。著書には『China Unveiled: Insights into Chinese Strategic Thinking』(2013年)、『Cadres of Tibet』(2018年)、『Xi Jinping's China』(2018年)、共著として『Strategic Challenges India In 2030』(2020)がある。

激動の国際情勢でますますインドのプレゼンスが高まる中、中国分析を専門とするインド外交官として中国共産党の脅威に警鐘を鳴らし、中国包囲網の重要性を強く訴えてきたジャヤデーヴァ・ラナデ氏に現地で話を聞いた。今回は中編(前編はこちら)。

国民に大規模な強制移住を強いた三峡ダム建設

──安全保障の観点からも、中国共産党による覇権拡張は危険です。ここにおいて、同じアジア国家として日本とインドは懸念を共有しています。しかしそれ以上に、あなたの掲げられてきた「独裁への警鐘」は、国民一人ひとりを「神の子」「仏性・神性を内包する存在」と見る人間学と政治哲学に基づいているように思えます。

ラナデ氏: 他国(の内政)に対して、何をすべきか助言することはできません。ただ、中国の基本的な考え方は、「国家が最優先である」というものだと思います。

もちろん、国として戦争状態にあったり強い圧力を受けていたりする状況であれば別ですが、通常は個人の幸福や関心が優先されるべきだと、私は考えます。

中国の場合は「全体の利益」、つまり、「集団全体の利益」を重視しているのだと思います。しかし、その過程で、個人が軽視されることがあります。

昔、米ハーバード大学にいたころの話ですが、講義の後にディスカッションをしていた時、民主主義と中国の体制について話題になりました。参加していた中国人の若者が、「民主主義と共産主義のどちらがよいかは、議論の余地がある」と述べたうえで、こう話しました。

「中国では、ある地域で食べ物がなく人々が飢えていても、声を上げることができなければ、国家は対応しません。たとえ抗議しても、それは抑え込まれてしまいます。しかしインドでは、人々が声を上げると、周囲の人々も加わり、やがて政府が対応するのです」

これが根本的な違いです。つまり、(両者の体制を分けるものとして)重要なのは「(個人の)声の強さ」だということです。

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タグ: 外交官  天安門事件  洗脳  中国共産党  プロパガンダ  独裁  ジャヤデーヴァ・ラナデ  インド 

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