中米のホンジュラス大統領選で親台湾派の候補が当選 ─ 台湾との「国交回復ドミノ」で、中南米で覇権拡大を狙う中国を牽制できるか

2025.12.27

《ニュース》

中米のホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙の結果が12月24日に発表され、「台湾との国交回復」を掲げ、トランプ米大統領が支持を表明していた野党候補ナスリ・アスフラ氏が当選しました。

《詳細》

ホンジュラスの国家選挙委員会の発表によると、アスフラ氏の得票率は40.27%で、2位の右派・自由党サルバドール・ナスララ前副大統領の39.53%を僅差で上回りました。

一方、現与党の左派・自由復興党のリクシー・モンカダ前国防相は得票率19.19%で惨敗しました。

選挙の大きな争点となったのは「台湾との国交回復」です。中南米はもともとアメリカの影響力の下、台湾と国交を持つ国が多く、2010年代半ばまでは十数カ国が台湾を承認していました。しかし南米における中国の影響力が拡大するにつれて、台湾と断交する国が相次ぐ「断交ドミノ」が発生。そうした中、ホンジュラスの現政権も2023年、80年以上続いた台湾との国交を断交し、中国と国交を樹立しました。

ホンジュラスの大統領選挙は11月30日に行われましたが、集計システムの不具合や嫌疑が生じた票の点検などで開票作業が遅れていました。しかし、当初の発表から「台湾との国交回復」を掲げるアスフラ氏とナスララ氏いずれかの当選が確実視されていたため、台湾との外交関係の復活への期待が高まっていました。

特にアスフラ氏は選挙戦の最中、台湾と関係を継続した方が「100倍よかった」と語り、中国との国交を断絶し、台湾との国交を樹立する可能性を示していました。

これに対し、トランプ大統領は投票日の前日に「アスフラ氏が勝利しなければ同国への援助を削減する」と述べるなどアスフラ氏への支持を表明。アスフラ氏の勝利を受けてマルコ・ルビオ国務長官は、「明確な勝利を祝福する」とし、「次期政権との安全保障協力の推進や経済関係の強化を期待している」との声明を発表しました。

一方、中国外務省は12月25日、ホンジュラス国民の選択を尊重すると前置きしつつ、「(台湾は中国の一部とする)『一つの中国』原則に基づき、両国関係を継続的に発展させたい」と、台湾との国交回復の兆しを牽制しています。

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タグ: 中国  分断  外交  ナスリ・アスフラ  ホンジュラス  台湾  大統領選  国交回復 

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