ついに「サンフランシスコ平和条約」を持ち出した中国【澁谷司──中国包囲網の現在地】

2025.12.15

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

12月2日、在日本中国大使館は、高市首相が党首討論で触れた「サンフランシスコ平和条約」について言及し、その条約は「不法かつ無効である」との主張をXに投稿した(*1)。

「サンフランシスコ平和条約」は長文なので、ここでは「第二章 領域 第二条 (b) 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」(*2)だけを取り上げたい(同条約では、その他、朝鮮や千島列島・樺太の一部など、日本が信託統治していた地域などに関しても言及している)。

日本のネット上では、もし中国が「サンフランシスコ条約」を無効と言うならば、我が国は台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄しなくてもよいと指摘する声が少なくない。「大多数の台湾人が日本への帰属を望むなら、場合によっては、台湾は再び日本の領土の一部となってもおかしくないのではないか」という極端な声も上がっている。

(*1)2025年12月2日付日本経済新聞
(*2)「日本国憲法の誕生 1-1 カイロ宣言 1943年12月1日」

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タグ: カイロ宣言  第2次大戦  サンフランシスコ平和条約  領有権  台湾  高市首相 

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