中国、近年最大規模のキリスト教弾圧で牧師ら30人拘束 ─ 共産党が恐れる2億人の宗教者

2025.10.14

《ニュース》

中国各地で今月、キリスト教の牧師ら約30人が警察当局に相次いで拘束されたことが報じられています。

《詳細》

拘束されたのは中国のキリスト教会「シオン教会」に所属する牧師やスタッフ、及びその家族です。10月9日~11日にかけて、広西省、北京、浙江省、上海、山東省、四川省など各地で連行され、ほとんどの人が消息不明になっています。近年における非公認教会への弾圧としては最大規模の取り締まりと見られています。

シオン教会は、金明日氏(10日に逮捕)が、2007年に設立したキリスト教組織で、中国政府に活動が認められていない非公認教会です。2018年9月に政府によって教会閉鎖や財産没収となりましたが、その後も金牧師らがインターネットを使って説教や礼拝を行っていました。

中国は9月、「インターネット上で宗教を広めてはならない」とする規範(「宗教教職人員網絡行為規範」)を発表しています。そのため、当局は今回の逮捕について「インターネットを通じた宗教情報の違法な拡散」の罪で刑事訴追する可能性を示唆しています。逮捕者の住居は家宅捜索され、パソコンや携帯電話などの電子機器が押収されたといいます。

事件に対し、同教会の牧師・教職団は10月11日に発表した「緊急祈祷要請書簡」で、「なぜこの国で、神を愛し、人を愛し、法を守って生きる多くのキリスト者たちが、罪人のように不当に扱われなければならないのでしょうか」と訴えています。

アメリカのマルコ・ルビオ国務長官も12日、逮捕を非難し、中国政府に牧師らの釈放を強く求めました。

また、同教会関係者は「全国のさまざまな教会で迫害が強まっていて、新たな宗教弾圧が始まった」と指摘しています。同教会では今年に入り150人の信徒が連行され、11人の牧師及びスタッフが行政勾留を受けたといいます。「金灯台教会」など、別のキリスト教教会においても、複数の教会スタッフが6月に"詐欺罪"で有罪判決を受け、伝道者が懲役15年の重刑を言い渡されるなど、中国政府による宗教弾圧が強まっています。

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タグ: 逮捕  宗教  キリスト教  拘束  教会  宗教弾圧  牧師  迫害  拷問 

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