中国共産党内に新機関が創設される【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2025.08.06
アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
新たな機関の設置は、習近平政権の権力を揺るがすことになるのだろうか。
中国共産党政治局は6月30日、習主席を議長とする「党中央委員会の意志決定審議調整機関作業規定」の見直し会議を開催した(*1)。
習主席はこれまで、専門の機能委員会を通じてすべてを指揮し、常に委員会の責任者であり、トップを務めてきた。習主席は会議で決定を下し、それを「中央政府の決定」とし、政府部門に渡して実行させる。これによって、国務院は習主席の"秘書課"と化し、李克強首相(当時)の権力は空洞化した。
だがこの規定導入の動きは、習主席の権力体制が弱体化する徴候なのではないかと指摘する声が相次いでいる。
(*1) 2025年7月1日付中国瞭望
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