「灰となっても」 - ザ・リバティ Pick Up Movie
2025.06.29
© rather be ashes than dust limited
2025年8月号記事
Movie
編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。
「灰となっても」
2025年6月28日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
魂を燃やして闘った、香港人たちの証言
- 【スタッフ】
- 監督・撮影・編集:アラン・ラウ
- 【その他】
- 原題:寧化飛灰 英題:rather be ashes than dust
- 【配給等】
- 配給・宣伝:太秦
- 【公開日】
- 2025年6月28日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開




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【レビュー】
本作の原題は『寧化飛灰』。「人生を無為に過ごすより、短くとも激しく生きる」という覚悟を表した言葉である。
2014年の雨傘革命に続く19年、香港では民主化を求める抗議運動が燎原の火のごとく広がった。犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案の完全撤回などを掲げ、デモの参加者は香港人口の3割を占める約200万人(主催者側発表)にまで膨れ上がる。司法の独立が失われ、一国二制度が崩れ去るのを止めるべく立ち上がった市民。それに対して香港警察の弾圧は苛烈さを増し、催涙弾やゴム弾、放水砲のみならず、実弾発砲にエスカレートしていく……。
最前線で命懸けの撮影を続けたのはアラン・ラウ監督。22年公開の『時代革命』(本誌22年9月号で紹介)では撮影監督を務めた。現在は亡命生活の身だが、1000時間以上に及ぶ映像から、身を削るようにして本ドキュメンタリーを完成させた。「傍観者でいいのか?」という葛藤を抱えながらも、「暴政」に立ち向かう人々の勇気、彼らを「暴徒」と呼ぶ警察当局の残虐さをありのままに映し出す。24年には新たな条例が施行され、言論への締めつけが一層強まっているが、監督の信念は香港と共にある。本作は、自由を求め、全体主義と戦うすべての人々に捧げられる。


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ザ・リバティWeb シネマレビュー
「灰となっても」
(星4つ。満点は5つ)
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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