病気で権力弱体化が噂される習近平主席、反対派に報復し巻き返しを図る【澁谷司──中国包囲網の現在地】

2024.10.14

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

7月の「3中全会」中に習近平主席が病気で倒れ、その後「反習派」が党のヘゲモニーを掌握した事は、ほぼ間違いないだろう(中央軍事委員会副主席の張又侠氏が軍権を握っている公算が大きい)。

会議前は、党メディアは大々的に習主席を讃え、「習思想」を鼓吹していた。ところが会議後、習主席への賛辞はほとんど消え、「習思想」が言及されることはなくなった。

そこで危機感を抱いた「習派」が、目下、巻き返しを図ろうと躍起になっている観がある。

習氏病気説リークへの報復か

近頃、中国社会科学院経済研究所の指導部総入れ替えが行われた。米時事評論家の陳破空氏は、この背景について、メンバーに「妄議中央」(正しい手順に従わず、党の政策に対して批判を行う)の言動があったといった単純な話ではないと指摘した(*1)。

その裏に党内の複雑な路線闘争、権力闘争があり、特に同研究所が習主席の体調不良という秘密の暴露に関わっていることが関係しているのではないかと分析した。

(*1)2024年9月17日付『中国瞭望』

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