「オールド・フォックス 11歳の選択」 - ザ・リバティ Pick Up Movie
2024.05.29
© 2023 BIT PRODUCTION CO., LTD. ALL RIGHT RESERVED
2024年7月号記事
Pick Up Movie
編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。
「オールド・フォックス 11歳の選択」
6月14日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
「どんな大人になりたいか?」
- 【スタッフ】
- 監督:シャオ・ヤーチュエン
- 【原題】
- 原題:老狐狸
- 【キャスト】
- 出演:バイ・ルンイン、リウ・グァンティン、アキオ・チェン、ユージェニー・リウ、門脇麦
- 【配給等】
- 配給:東映ビデオ
- 【公開日】
- 2024年6月14日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
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【レビュー】
1989年の台北郊外。レストランに勤める父タイライと慎ましく暮らす11歳のリャオジエの夢は、家を買い、亡き母の願いであった理髪店を開くことだった。通学の服は父の手製で、ガスや水道もこまめに節約しながら貯金に励む毎日。あと3年もすれば家が買えると知ったリャオジエは、何かと面倒見のいい大人たちに囲まれながら、希望に胸を膨らませていた。
その頃、台湾は空前の投資ブームが起き、株で儲けた叔父が家の頭金を貸してくれることに。だが、不動産価格は2倍にも高騰しており、夢は遠のいていく。そんな時、リャオジエは"オールド・フォックス(腹黒いキツネ)"と呼ばれる家主のシャと出会う。誠実で人の気持ちを優先する父とは違い、成功者だが他人の犠牲を厭わない狡猾な彼は、社会の底辺から這い上がってきた"勝ち組"だった。貧しさ故のいじめにも遭い、現実の厳しさと不条理さを知ったリャオジエは、シャに憧れを抱きながら、父との間で心が揺らいでいく。
図らずも人生の選択を迫られたリャオジエが選んだ道とは……。
歴史ある台北金馬映画祭で4冠に輝いた、日台合作の心を打つ感動作。まるでレコード盤のような、アナログチックでしっとりとした手触りが感じられる作品になっている。
監督は、バブル崩壊の荒波の中で"価値観の選択"に目覚める少年を通して、「人を思いやる大切さ」を描きたかったという。
「どんな大人になりたいか?」。33年後の主人公のラストシーンに、バランス感覚と優しさが感じられる。
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ザ・リバティWeb シネマレビュー
「オールド・フォックス 11歳の選択」
(星3.5。満点は5つ)
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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