日本は「渇く中国」といかに共存するか?
2011.06.01
中国がエネルギー資源で、各国と深刻な軋轢を招きつつある。
例えば26日には、南シナ海におけるベトナムの排他的経済水域(EEZ)で、石油や天然ガス採掘に向けた調査をしていたベトナム調査船のケーブルを、中国の監視船が切断する事件が起きた。ベトナム側からの抗議に対して、中国は「正常な観察活動」と表明するなど、あくまでベトナムのEEZは中国の「管轄水域」であることを強調。ベトナム側は、国際社会の支持を集めて対抗する考えだ。(各紙)
ロシアからの原油輸入においては、パイプラインの輸送料を中国側が2億ドルも未払いにしており、ロシア側は訴訟も辞さない構えだ。中国側は原油輸入量を倍増する代わりに、輸入代金の再設定を求めているが、ロシアのシマトコ・エネルギー相は23日、「技術面も含めて総合的に日露協力を強化したい」と表明するなど、中露のエネルギー協力は不透明になりつつある(31日付日経新聞)。
中国は干ばつ被害も深刻さを増している。被害を受けた田畑の面積は、長江流域を中心に667万ヘクタールを超えて過去最大規模に広がっており、湖北、湖南、江西、安徽、江蘇の5省では、降水量が1951年以降で最も少ない水準に落ち込んでいる。今後の食糧生産に影響が出るのは必死である(同紙)。
経済発展に伴い、中国の露骨な資源確保は、ますます各国との対立を招くだろう。だが、海水から真水を作る技術や、植物工場、海洋資源開発などは、どれも日本の技術が世界最高水準だ。「渇く中国」といかに共存するか。日本は外交面でも技術面でも、イニシアチブを期待される立場にある。(雅)
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