「内向き日本」への危惧相次ぐ アメリカ政府サイドから発信
2011.05.30
29日付読売新聞でリチャード・アーミテージ元米国務副長官が寄稿し、「内向き」傾向が強まる日本への危惧を表明している。
「国内での恐るべき再建の努力の最中に、国外に注意と資源を向ける余裕が、日本にはあるのだろうか」「日本が世界の舞台から身を引けば、日米同盟の強さが低下するだけでなく、地域と世界全体の安定をもたらす力の一つとしての日本もまた失われる」
同氏は日本が国際社会から“退場”する一方で、軍拡を続ける中国が独裁国家として台頭することを強く懸念し、「日本がアジア地域内外での影響力を低下させることは、民主主義に相反する価値観や利益に道を譲ることに他ならない」と指摘。自衛隊による災害復興も重要だが、「国家安全保障と防衛を優先」すべきだと強調した。
「内向き日本」への懸念は、他のアメリカ政府関係者からも挙がっている。キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)も22日、日本のメディアに対し、復興に注力しなければならない現状に理解を示しつつも、中国問題などについて「日米両国の緊密な協力が必要」として、世界規模の重要課題に積極的に関わるよう求めた。
オバマ大統領も27日の菅直人首相との首脳会談で、環太平洋経済連携協定(TPP)の問題について「(震災にもかかわらず)日本が引き続き議論していることを評価したい」と述べ、大統領の側から今年9月前半の首相訪米を提案した。
確かに菅首相は、自衛隊10万人を東北に張りつけ(現在は6万人)、原発を止めて日本経済を縮小させようとしている。東アジアの安全保障問題への関与や経済大国としての責任を放棄しているかのようだ。日本の国力を後退させる「内向きの菅首相」は要らないという声と受け止めたほうがいいだろう。(織)
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【5月29日分ニュースクリップ一覧】
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