自民党改革は功を奏するか
2011.05.25
自民党の党改革委員会は24日、党改革案の中間取りまとめに着手すると、同日付産経新聞が報じている。
09年の政権転落は長期政権下による官僚依存が引き起こしたとの反省から、政策秘書などの資格を持つ政策特別職を党政調に新設するなど、自前の政策立案能力強化を目指すという。他にも、一般公募によるモニタリング調査で議員の国会質問を評定する案や、党総裁選の出馬に必要な推薦人の数を20人から10人に緩和し、人材発掘を進める案などが出ている。
官僚答弁と揶揄される政治家の見識不足は以前から指摘されており、改革案として必要な一つだろう。広く人材を求める姿勢も組織の新陳代謝を促すと思われる。
だが、やはり09年当時の政権与党として最も反省すべきことは、普天間基地移設問題や北朝鮮のミサイル発射問題など、国民の生命・安全・財産にかかわる国防問題を総選挙の争点にしなかったことだ。国防テーマは票になりにくいのは確かだが、政権与党として通すべき筋を通せなかったことを反省してもらいたい。民主党と共に国防問題を避けて通り、福祉重視の政策を展開したことは、日本を大きく左傾化させた。その責任こそ問われるべきだろう。
自民党の谷垣禎一総裁は23日の国会で、福島第一原発事故での菅直人首相の初動対応を批判したが、相変わらず、党内外から「追及が甘い」と指摘される状況だった。
幸福実現党が主張し続けている国難が表面化していくなか、国を守る気概を無くしたかつての保守政党に、国民はもはや多くを望めないか。(雅)
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