スペインとスコットランドで「自己申告のみで性別変更」可能に 女性の権利侵害を懸念する声も続々
2022.12.23
《ニュース》
スペイン下院が22日、16歳以上の人が身分証明書の性別を自己申告のみで変更できるようにする法案を可決しました。近く、上院でも採決される見通しです。スコットランド議会も同日、自己申告によって性別変更を可能にする法案を可決しています。
《詳細》
スペインではこれまで、性別を変更する際には性別違和の診断を複数の医師によって受けていることや、ホルモン治療を行った証拠が必要とされていました。
新しく制定される法律では、16歳以上であれば自己申告のみで性別変更が可能になります。また、12~13歳の未成年者は裁判官の承認、14~16歳の未成年者は両親または法廷後見人の同伴によって、性別変更ができるようになります。
また、スコットランド議会でも、16歳以上であれば医学的診断なしに、自己申告のみで性別変更ができる法案が可決されています。申告する性で3カ月間(16~17歳の場合は6カ月間)継続して生活している必要があり、申請した後も3カ月間は取り下げが可能な「熟考期間」が設けられます。同じ手続きを再度行い、性別を戻すことも可能となります。
一方、イギリス政府はこの法案に懸念を示しており、国王による裁可をくい止めることで、正式な法制化を阻止する可能性があるとしています。
スペインの女性の権利保護団体は、女性を自称する男性が女子スポーツに参加したり、女子刑務所に移送されたりするなど、制度の悪用や女性の権利後退につながるなどして法案に反対の声を上げていました。スコットランドの反対派も、「女性を食い物にするような男性が、女性専用の空間、例えば女性用のシェルターや更衣室に入れるようになる」と主張しています。
《どう見るか》
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