在英中国総領事館の香港人暴行事件、総領事らが事情聴取に応じず6人出国 日本も中国の非人道的行為を見過ごせば同じ危険にさらされる
2022.12.16
《ニュース》
英マンチェスターの中国総領事館前で香港の民主化を求めるデモの参加者が暴行を受けた事件で、ジェイムズ・クレヴァリー英外相は14日、総領事を含む職員6人がイギリスを出国したと明らかにしました。
《詳細》
クレヴァリー外相によれば、英政府は中国に外交特権を放棄し、警察による事情聴取を受けるよう求めていました。中国側はこれを無視した形です。
事件は10月、マンチェスターの総領事館前で平和裏に行われた民主化デモに参加していた香港人男性1人が門の外から領事館の敷地に引きずり込まれ、殴る蹴るの集団暴行を加えられたもの。警戒中の警察官が介入し、男性を助けて敷地内から引きずり戻しました。男性は顔や体を負傷し、治療のため一晩入院しました。
今回帰国した鄭曦原総領事は事件後、CNNなどのインタビューに答え、デモ参加者らが「無礼な掲示物」で暴力を引き起こしたと主張。「私は誰も殴っていない。スタッフにも殴らせていない。実際には、いわゆるデモ参加者らがスタッフを殴っていた」と話しています。
しかし事件を撮影した動画や画像には、鄭氏がデモ参加者の髪を引っ張っているものもあり、それについて質問されると、同氏は一転して「そうだ。その男性は私の国を傷つけた。私の指導者を。そうするのが自分の義務だと思う」と主張。「髪を引っ張ることが?」と問われ、「そうだ!」と答えています。
中国外務省も事件後、鄭氏を擁護。デモ参加者を「ハラスメントの加害者」とし、法を犯して総領事館に侵入したことで施設の安全を脅かしたとしています。
クレヴァリー外相は声明で「警察の聞き取りが行われず、職員たちが裁きを受けないのは残念だ」とした一方で、「我々が法の支配を遵守し、事件を深刻に受け止めていることが効果をもたらした」と述べ、中国側が事態の幕引きを図ったという見方を示しています。
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