上海市民、共産党の「インターナショナル」を演奏して抗議 香港デモを彷彿とさせる「皮肉」「検閲回避」合戦始まる!?
2022.05.07
画像: Robert Way / Shutterstock.com
《ニュース》
中国・上海で、長期化する都市封鎖への不満を表すため、市民の間で共産党の革命歌「インターナショナル」を歌唱・演奏する抗議方法が広がっています。
こうした中、現地警察が同曲を演奏した疑いのある男性を連行する動画が拡散。社会主義国で同曲の演奏を取り締まる皮肉な出来事に、波紋を呼んでいます。
《詳細》
「ゼロコロナ」政策のもと、上海市では長期にわたる都市封鎖が続いています。人々は買い物に行けず、食料の配給も滞っているために飢えに苦しみ、不満と怒りが蓄積しています。
封鎖網が強行突破される地域が出るなど、さまざまな形で抗議行動が広がっていますが、検閲や取り締まりを一時的に凌(しの)ぐ、または当局への皮肉を示すような抗議方法が見られます。
今回問題になった「インターナショナル」は、中国共産党の重要行事で必ず斉唱され、昨年の共産党創立100周年記念関連式典でも、フルコーラスで歌われたことなどが話題になりました。
ところが同曲の歌詞は「飢えと寒さの奴隷たちよ、立ち上がれ!」と革命を鼓舞する内容になっており、これが奇しくも食料物資を断たれ、奴隷同然の"収容"状態になっている上海市民の姿と重なります。
そのため、直接的に当局批判をするのではなく、同曲を自宅で歌唱・演奏したり、ネットにアップしたりすることで、間接的に抗議し、当局の矛盾を皮肉る動きが一部で広がっています。
これを当局は問題視し、同曲を演奏したとされる市民を連行。その様子を撮影した動画が拡散され、さらなる反発を呼んでいます。地元のネットユーザーからは、「インターナショナルは市の党書記(上海市トップの李強氏)も歌っている。彼も連行しよう」「社会主義国でインターナショナルを演奏してはいけないのか?」といった声が上がっているといいます。
《どう見るか》
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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