普天間移設は、辺野古に「V字」の方針
2011.05.01
米軍の普天間基地移設問題で、政府は代替施設を沖縄県名護市の辺野古地区に移設し、「V字型」の滑走路を建設する方針を固めた。6月までに開催予定の「日米安全保障協議委員会(2プラス2)」での正式合意を目指す。
普天間基地の移設をめぐっては、2006年の自民党政権時代に日米で「辺野古」に「V字」滑走路を建設することで合意。しかし、2009年夏の総選挙で民主党の鳩山由紀夫代表(当時)が「県外移設」を主張して政権交代を果たした。
この結果を受け、一度は辺野古移設を受け入れようとしていた沖縄県民も、「県外移設」に希望を抱き、県内で基地移設の反対運動が再燃。2010年11月の沖縄県知事選では、自民党寄りだった仲井真氏も「県外移設」を主張し始めた。
結局、民主党政権は約2年間の迷走の末、今回06年の合意案に戻ったわけだが、北沢俊美防衛相は5月7日に沖縄を訪問し、仲井真知事に「V字案」への理解を求めるという。
この迷走劇は、民主党の「地域主権」という考え方が生んだものだが、突き詰めれば、「沖縄のことは沖縄県民の『民意』に任せる」という論理であり、単なる「中央政府の責任逃れ」に過ぎない。震災の復興と同じように、国防も政府が率先して進めるべきだ。民主党政権は、今度こそ沖縄県を説得して、国防の強化を果たさなければならない。(格)
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