うぬぼれや見栄だけで生きる人の本当の危険 法話「偽我と魔境」
2021.05.28
若い頃に「成功したい」「認められたい」と思うことが、人間としての成長に繋がることは事実だろう。しかし、いつの間にか自分が成功することだけに夢中になって、他の人のことを顧みず、道を外してしまっていることに気付かないことがある。
大川隆法・幸福の科学総裁は5月21日、法話「偽我と魔境」を説いた。「本法話は全国の幸福の科学の支部・精舎・拠点で公開されている(文末に問合わせ先)。
「歴史の検証」に堪えられる成功か?
ここで説かれた偽我とは、「偽物の自分」ということであり、例えば「見栄のためだけに生きている自分」なども当てはまる。
現在公開中の映画「美しき誘惑─現代の『画皮』─」では、「美しさ」や「人気」など、目に見えるもので人を籠絡し、誘惑しようとする「画皮」の姿が描かれている。現代では、SNSのフォロアー数や動画の再生回数、コンサートの集客数、選挙の得票数などを誇り、「いかに人に愛されているか」「他の人より抜きんでているか」を証明しようとする風潮がある。
しかし、大川総裁は、こうした指標が客観的であることを認めつつ、「歴史の検証に堪えられるものであるかどうかは、また別の問題としてはあるだろう」と指摘。ナチス・ドイツのヒトラーやイタリア・ファシスト党のムッソリーニも圧倒的な支持を得ていたことを挙げ、人気が続くかどうかは分からないし、死後の行き先が良くないこともあるとして、「虚栄心に基づく成功になっていないか」ということに気を付けなければいけないと説いた。
欲をたたむための煩悩の反省
また、大川総裁は、虚栄心や偽我、偽物の自分から発されているものが出続けていると、同通するものが来ると指摘。「欲があるところには必ずその欲を狙って引っ掛けるものは出て来るので、常に自分の欲を見つめる必要はあると思う」とした。
法話では、反省すべき欲として仏教の「六大煩悩」が挙げられた。六大煩悩とは、「貪(とん:むさぼり)」「瞋(じん:怒り)」「癡(ち:愚かさ)」「慢(まん:自惚れ)」「疑(ぎ:疑い)」「悪見(あっけん:間違った見解)」のことだ。ここでは、「ペーパーテストで頭がいいのに、人間として賢くない人」「客観的な自分の実力を知らないで慢心している人」など具体例が示され、自分を振り返るポイントが挙げられている。
霊能力を得ても修行は終わらない
さらに、宗教で霊能力を得た場合についても、大川総裁は、「『悟り終えた』ということはない」とし、この世で生きている限り修行は続くと指摘。自らを客観的に検証しながら、霊の言葉に惑わされることなく判断力を維持することが大事で、「良き常識人としての発展でもなければならない」と注意を促した。
大川総裁自身、24歳で天上界と同通し、霊言が始まった後も、その内容に一貫性があるか、責任をもって世に問える内容があるか、など客観的な視点を持ち検証を続けている。その教えの中でも、「実務的知性と宗教的知性」を両立することを重んじている。
「魔境」に入らないための智慧に満ちた法話だ。「自分は優秀なはずなのに、なかなか成功できない」と焦り、苦しんでいる場合も、冷静な目で自分を見つめる視点が得られる。若い人を指導する立場の方にも、法話の拝聴をお勧めしたい。
本法話では、他にも以下のようなさまざまな論点について言及された。
- 宗教家の本物と偽物との違い
- 有名進学校や医学部で「天狗」が量産されている姿
- 医学の中にある影の部分とは
- 恋愛の背景に「詐欺」「詐称」があった場合の悲劇
- 優秀でも出世できない人の特徴的な性格
- 人間としての頭の良さをはかる知恵
- 客観的な実力が分からない場合の悲劇
ここに紹介したのは法話のごく一部です。
詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
・幸福の科学サービスセンター Tel:03-5793-1727
火~金/10:00~20:00 土日祝(月曜を除く)/10:00~18:00
・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス
【関連書籍】
『人として賢く生きる』
幸福の科学出版 大川隆法著
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