中国人監督のアカデミー賞、過去の政府批判を理由に中国で無視 映画界はチャイナマネーの圧力と戦え
2021.04.27
画像:Philip Pilosian / Shutterstock.com
《ニュース》
米アカデミー賞で、中国出身のクロエ・ジャオ監督が、アジア系女性として初めて監督賞を受賞し、製作映画「ノマドランド」も作品賞も受賞しました。しかしこの快挙を、中国の主要メディアは報道せず、同氏の政府批判が理由ではないかと、波紋を呼んでいます。
《詳細》
ジャオ氏は中国の北京生まれ。今回受賞した「ノマドランド」は、アメリカ西部の路上で暮らす高齢の車上生活者の姿を描いたものでした。
そんなジャオ氏ですが、2013年に米映画雑誌で「中国にはいたるところに嘘がある」と発言。これが中国のネットで取り沙汰され、「愛国心」が欠けていると批判が高まっていました。
こうした背景からか、今回の受賞について中国ではほとんど報じられず、一部速報したメディアも、間もなく削除するなどしました。中国版ツイッターの微博でも、「ノマドランド」の中国名「無依之地」にハッシュタグがついたページは「法律と政策に基づいて表示できない」として見られなくなりました。
今回のアカデミー賞では、香港の民主化運動を描いたドキュメンタリー映画「ドゥ・ノット・スプリット」もノミネートされており、中国側の怒りを買っていました。中国宣伝当局が、授賞式の生放送を中国本土や香港で行わないよう指示したとの報道もあります。
《どう見るか》
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