トランプ大統領、最高裁での保守革命でリベラルの「負の遺産」を断ち切る
2020.09.26
《本記事のポイント》
- トランプ氏が26日に指名する人物が最高裁判事へ
- 「神の国を建設する」と誓う最有力候補のバレット氏
- 保守系の判事就任で、リベラルの「負の遺産」を葬る
トランプ米大統領は26日、亡くなったリベラル派の最高裁判事、ギンズバーグ氏の後任を指名すると見られている。大統領選前に後任を指名することへの反対の声が、民主党中心に上がっている。
それに対しトランプ氏は、郵便投票の増加などで大統領選の結果をめぐる法廷闘争が起きることを念頭に、判事が9人そろっていることが望ましいとの見方を示している。共和党も、トランプ氏が指名する候補を承認する方向でまとまり、上院議員の間には、10月にも承認採決が行われるとの観測が流れている。
最高裁判事の指名には、上院の承認が必要だ。現在、上院は共和党が過半数を占めているため、民主党がそれを覆す余地はない。民主党のダービン上院議員は、「民主党が採択を阻止するためにできることはほとんどない」と述べている。
「神の国を建設する」と誓う最有力候補バレット氏
故・ギンズバーグ氏の後任として有力視されているのは、シカゴの連邦高等裁判所で判事を務めるエイミー・コニー・バレット氏。48歳の同氏が就任すれば、史上最年少の最高裁判事が誕生する。バレット氏は、熱心なカトリック信者として知られ、人工妊娠中絶反対派からの支持が厚い。トランプ陣営の中絶反対派への訴求力が高まることが予想される。
2017年にトランプ氏が連邦裁判所の判事にバレット氏を任命した際、司法経験の少ない同氏が判事になることで、彼女が持つカトリックの信仰が判決に大きく影響すると懸念された。バレット氏はかつて、「法律家で生きることは、手段であり、目的ではありません。その目的の一つは、神の国を実現するところにあります」と語ったことがあったためだ。
それに対しバレット氏は指名承認公聴会で、「個人の信仰観を押し付けるようなことはしない」ことを強調。上院の過半数の承認を得て、連邦裁判所の判事に就任した。
とはいえ、バレット氏が有力候補に挙げられるのは、「神の国」の建国を目指す信仰心にあるように見える。常々、神への信仰を口にするトランプ氏が持つ「信仰から政治を考える」という考え方と一致しているためではないか。
保守系の最高裁判事の誕生で、リベラルの「負の遺産」を葬る
そもそも、日米の裁判所の役割には違いがある。日本の裁判所は、政治的な争いから距離を置き、立法機関の判断に追随しがちだ。一方のアメリカの場合、三権分立の一角として、権力をチェックする役割が期待されている。
アメリカでは、近年、最高裁の役割がますます大きくなっている。その要因が「大統領令」だ。民主党と共和党の対立が先鋭化し、議会が機能しなくなれば、多くの政策が大統領令によって実行される。予算編成が伴うものは議会の承認を必要とするが、それ以外の政策は大統領令で行うケースが増えている。
この大統領令に対抗できるのは、最高裁が下す判決しかない。例えば、トランプ政権が6月に、幼少時に親に米国に連れてこられた不法移民を保護する制度(DACA)を廃止しようとしたが、最高裁は違憲判決を下した。もし、最高裁において保守系の勢力が優勢になれば、そうした判決が覆り、オバマケアに代表されるリベラルの「負の遺産」を葬り去ることができる。
そのため、大統領と並んで最高裁判事も、社会のあり方を変える重要な役割を担う。トランプ政権が進める「保守革命」が、最高裁でも起きるのか、要注目だ。
(竹内光風)
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『米大統領選 バイデン候補とトランプ候補の守護霊インタビュー』
幸福の科学出版 大川隆法著
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