官僚が「命を預けてもいい」政治家とは
2011.04.11
10日付読売新聞が、菅内閣の震災対応に関する官僚の声を載せている。震災や原発対応にかかわった14省庁の幹部職員20人以上に聞いたもの。政治家は官僚を使いこなすべき立場にあるが、同紙によれば調査結果から「菅首相の指導力や危機管理能力に対する危機感が霞が関を覆っていることが浮き彫りとなった」。抜粋して紹介する。
政府の意思決定や責任について
「意思決定の権限と責任の所在があいまいになり迷走している」(内閣府幹部)
「会議が多すぎる。出席していて、これは何の会議だったかなと思う」(国土交通省幹部)
政と官の関係について
「民主党政権は役人を信用しない。社長が社員を信用しない会社は回らない」(経産省幹部)
「官僚の能力が落ちた。政治主導になり、余計なことをしないほうがいいと指示待ちになった」(内閣府幹部)
「(次官会議を復活したのは)官僚の手を借りなければどうしようもないと、やっと分かったのだろう。民主党政権が初めてまともに機能している」(厚労省幹部)
首相の指導力について
「首相が内閣官房参与を大量任命して意見を聞いているのは、自分で判断できないから」(内閣府幹部)
「こういう時に『小泉待望論』が出る。この人になら命を預けてもいいと思って仕事がしたい」(内閣府参事官)
政治家が官僚を使いこなすには大局観や判断力、責任感が必要だ。加えて官僚には、「命を預けてもいい」と思わせる人間的魅力や徳のある、例えば西郷隆盛のような政治家のために働きたい本音もあるようだ。次の衆院選で政治家を選ぶ際は、優秀な官僚たちの心を動かすだけの徳のある人物かどうかも見極める必要がある。(司)
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