米軍の救援を詳細に伝えない沖縄の新聞

2011.04.08

米軍による東日本大震災の被災地への救援活動を沖縄の地元メディアが詳細に伝えていないことを、7日付産経新聞が1面で批判している。

沖縄では5大紙を購読する人は少なく、「琉球新報」と「沖縄タイムス」の地元2紙が圧倒的なシェアを占めている。2紙とも反米色が強く、今回の米軍の大規模救援活動についても5日現在、掲載された米軍の写真は「新報」が3枚で「タイムス」が2枚。実際に支援活動をしている海兵隊の写真は1枚も掲載されていないという。

逆に「新報」は3月17日付朝刊で、米軍について「援助活動を利用し、(編集部注・普天間飛行場の)県内移設への理解を日本国内で深めようとする姿勢が色濃くにじむ」と批判している。「トモダチ作戦」として遺体収容などの困難な任務にあたっている米軍に対し、非常に礼を失した書き方ではないか。同紙の過去記事は同紙のインターネットサイトで閲覧できるので、興味のある読者は同紙の主張がフェアなものか確認されたい。

だが、ここでもう一段気づく必要があるのは、沖縄の人々がこうした情報操作的な言論空間の中にあるという事実を、5大紙では産経しか目立って伝えていないことだ。つまり、日本中の産経以外の読者はその事実を「知らされていない」わけである。新聞を一紙しか購読していない人が、自分の読んでいる新聞に「何が書かれていないか、何が伏せられているか」に気づくことは難しい。自分の知らない真実がありうると認めることこそソクラテス的な意味における真に知的な態度であり、そのためにも複数の新聞をチェックしたいものである。(司)

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