新型コロナで「偽情報工作」を画策する中国 西側は情報開示の要求で反撃すべき
2020.03.28
《本記事のポイント》
- ポンペオ米国務長官は「中国の責任逃れは許さない」とし、新型コロナの発生源は中国と断定
- 米中関係を根本的な見直しを示唆
- 中国は透明性を主張するが、その資格は中国にはない
新型コロナウィルスの感染が拡大するにつれ、中国の「偽情報工作(Disinformation Campaign)」に基づく責任転嫁が激しくなった。とりわけ米陸軍のフォートデトリック(伝染病医学研究所)がもたらしたものだという説はアメリカを激怒させている。
トランプ米大統領が新型コロナを「中国ウィルス」と呼んだことに対して、中国側は「中国ウィルス」は「人種差別主義的発言だ」、むしろアメリカが拡散させたのだから「トランパンデミック」と名付けて応戦している。
これに対してポンペオ米国務長官は24日(現地時間)、米ラジオ番組で、中国共産党は偽情報工作を行い、さらなる感染を防ぐために世界が必要としている情報の提供を否定していると主張し、こう語った。
「中国が発生源であることは明らかです。ロシア、イラン、中国の偽情報工作が続いています。米陸軍やイタリアが発生源だという説さえありますが、これはすべて責任逃れのためにやっていることです」
「透明性が必要です。というのもこれは現在進行形で続いている世界的危機だからです」
「透明性が欠けていることで、もっとも被害を受けているのは、その国の国民です。最終的に国民は、政権側の新型コロナへの対処にミスがあったことに、責任を取らせるべきだと主張するでしょう」
また、米中関係をどう構築するかに関して、「非常に重要な決断」をしなければならないと述べた。
中国は透明性を主張する資格はない
これに対して、中国外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は、中国はこれまで透明性が高かったと主張し、アメリカによる中国の中傷だと非難している。
だが「透明性」、すなわちコロナが「中国ウィルス」ではないと主張できる条件を中国は満たしていない。
アメリカの疾病管理の専門家チームは1月上旬、新型コロナの感染状況の調査のために武漢入りを要請。だが、中国はこの要請を無視している。
また、今になって中国は新型コロナについて、「感染率が高いことは分かっていた」と主張する。だが2月、高い感染率で危険であることを報告する予定だった世界保健機関(WHO)をブロックしようとしたのは中国である。
欧米メディアの国外退去は鉄のカーテンを下ろす行為
さらに18日、中国政府は国内に駐留していた米ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のアメリカ人記者のほぼ全員を国外退去にすると発表。処分の対象になった記者の香港駐在も許されない。
この措置は1949年の中国建国以来、最大規模のアメリカ人記者の追放にあたる。中国で起きている真実を必死で世界に知らせまいとする措置であり、「鉄のカーテン」を下ろしたのも同然の行為。諸外国に対する情報開示を閉ざして、「透明性」を主張するなど甚だしい矛盾と言える。
例えば中国国内では、複数の医師が逮捕されている。湖北省武漢市在住の医師・李文亮氏は、感染拡大の可能性を早期に察知してチャットで懸念を発信していたことから、中国当局から「間違った情報を発信し、他人を混乱させた」ことをとがめられ、発信を続ければ逮捕される恐れがあると通告を受けた。
李氏は新型コロナの影響で死亡したが、欧米メディアが騒ぎ立てたために有名になったケースだ。欧米メディアが追い出されれば、今後、中国政府は容易に、真実を明かす内部告発者を逮捕できるようになる。
嘘を塗りかためなければ権力維持ができない共産党体制
中国共産党は、嘘をつかなければ権力を維持することができないほど「弱い」体制だと言えるだろう。
「偽情報工作」は、今回の新型コロナのみではない。直近でも、米プロバスケットボール選手が香港支持のツイートをしただけで、それを撤回しなければならない状況となっている。
中国共産党の嘘に塗り固められた世界に生きることを拒否しなければ、世界から真実が失われてしまう。
このため西側は、中国共産党の情報戦の状況を正しく把握し、情報開示を要求しつづけることが必要だ。それが中国政府に抑圧される人々への救済につながる。
(長華子)
【関連書籍】
大川隆法著 幸福の科学出版
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