小1の35人学級、衆院委で可決
2011.04.01
31日付各紙は2012年度からの中学教科書のページが増えることを報じ、「ゆとり教育からの完全転換」などとしている。その一方で同日付読売新聞は、逆に教師の仕事が楽になる方向の動きを小さく載せている。
小学1年の35人学級を実現するための法案が30日、衆院文部科学委員会で、全会一致で可決された。31日の衆院本会議で可決され参院に送付される。成立は4月にずれこむ見通しだが、新年度から小学1年の学級規模の標準は40人から35人に引き下げられる。学級規模の見直しは1980年以来31年ぶりとなる。
ある教育評論家によれば、35人学級の実現は日本教職員組合(日教組)の長年の悲願だった。昨年11月にも日教組は民主党の岡田克也幹事長あてに要請書を提出し、「子どもたちに豊かな教育を保障することは社会の基盤作りにとってきわめて重要です。(中略。35人学級等の)実現について、ご尽力いただきますよう要請します」としている。だが同評論家は著書でこう記している。「わが国の学校はもはや青少年用の保育園であり、その文化を見直さない限り学級定員を引き下げ(教員を増加し)ても、学力向上にはほとんど効果は見込めないでしょう」
これまでは、例えば小学校1年生が36人なら1クラスで済み、担任も一人で足りた。だがこれからは2クラスに分けることになり、担任も2人必要、つまり教員を多く雇うことになる。35人学級の目的が、組合側から見た雇用の確保でなく、本当に「子どもたちに豊かな教育を保障」するためなのかどうか。今後の小学生の学力到達度などによって、この点をしっかりと効果測定する必要があるだろう。(司)
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