東電国有化は本当に必要か
2011.04.01
東京電力の勝俣恒久会長が30日、福島第一原発の1~4号機を廃炉にせざるを得ないと明言した。
廃炉にかかる費用は1基あたり600億とも1000億円超とも見られている。また、原発が稼働できない分の電力供給に火力発電所を増設・再稼働する必要もあり、その設備投資や燃料調達費なども重くのしかかってくる。さらに、巨額な賠償負担も避けられず、その規模は数兆円にもなると見られている。原子力損害賠償法(原賠法)で国が補償するのは、原子力発電所1か所あたり最大1200億円に過ぎないため、今後の資金繰りが不安視され、東電の国有化の議論が浮上してきている。
だが、民主党政権下で国営化した日本郵便は、2011年度は979億円の営業赤字となる見通しからも、国有化を是とすることは厳しいだろう。
原賠法では、例外規定として「社会的動乱や異常に巨大な天災地変の場合」、電力会社を免責し、国が補償する規定がある。今回の東日本大震災は「千年に一度」とも「想定外」とも言われており、この例外規定を適用してもいいのではないだろうか。(吉)
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