世界の2010年の死刑は527人 死刑制度の是非を考える
2011.03.29
28日に発表した国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの報告によると、2010年は世界で少なくとも527人が処刑されたとしている。過去10年間で、31カ国が法律上および事実上死刑を廃止したとして、同機関は、死刑執行存置国に対して「国際的な死刑廃止の潮流を拒んでいる」と批判した。
こうした世界的な流れもあり、死刑制度自体はあるが、死刑執行が中断されて13年目となる韓国では、同制度の存廃をめぐる議論が依然として続いている。
アムネスティでは、死刑廃止を訴えているが、死刑制度を安易に廃止することが必ずしも望ましいとは言い切れない。確かに、死刑の適用が国家機密とされており、数千人が処刑されていると見られる中国においては、人権がまったく無視されており、そうした国においての死刑は行き過ぎていると言える。
だが、そうした国以外のところでは、どのような事情下で人を殺しても死刑制度が適用されないとなると、犯罪を抑止することが難しくなるだろう。国際人権法では、もっとも深刻な犯罪以外に死刑を適用することを禁止しているように、死刑制度を安易に廃止するのではなく、その適用の程度を問題とすべきではないか。(吉)
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