いつまで続く復興財源論
2011.03.28
東日本大震災の復興財源の議論が続いている。
内閣府試算による被害額は16~25兆円だから、復興資金は数十兆円が見込まれる。この単位の金額になると、国債の発行が一番現実的だ。
にもかかわらず、マニフェストの見直しや増税論議が絶えない。マニフェストの見直しによって数十兆円の資金を捻出することは無理だし、増税も難しい。仮に10兆円を増税で賄うとしたら、消費税を倍の10%にしなければならない。ただでさえ東日本の経済が萎縮する中で、10兆円も増税したら、不況は一層深刻化し、それこそ復興どころではなくなる。
27日付産経新聞で、編集委員の田村秀男氏が日銀引き受けによって数十兆円規模の復興国債を発行することを提案しているが、この考え方でいくしかないだろう。
問題なのはスピードだ。震災からすでに2週間以上経つ。復興関連法案の詳細については、ある程度時間はかかるだろうが、大枠についての方針はいち早く打ち出す必要がある。
被災で前途が見えにくくなる中で、未来のビジョンを明確に示すことこそ、復興のエンジンとなるからだ。その観点からすると財源論に時間をかけすぎているように見える。
首相のリーダーシップによる早い決断が求められる。(村)
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