アグネス・チョウ(周庭)守護霊の発言を中国メディアが批判 「霊言」をめぐる論争に発展
2019.09.08
《本記事のポイント》
- アグネス・チョウさんの「守護霊霊言」に関するツイートが、ネット上で話題に。
- 香港デモに圧力をかけるために、中国側が幸福実現党の機関紙を利用した。
- 日本政府は「第二の天安門」を防ぐために、米英と連携すべき。
香港の「民主の女神」こと、アグネス・チョウ(周庭)さんが5日、ツイッターで次のような声明を発表し、ネット上で話題になっている。
「[声明] 最近、ある日本の政党の出版物に、私の名を騙って、私が『自衛隊に香港を助けてほしい』と主張していると書かれていました。私はこのようなことは言っていませんし、このような主張はしていません。私について誤解を招くような文章を削除し、訂正することを求めます。」
「ある日本の政党」とは、幸福実現党であり、「出版物」とは、同党が9月4日から5日にかけて東京都内で配布した機関紙特別号のこと。この見出しには、「香港デモへの『弾圧』が激化 自衛隊を派遣して香港の自由を守れ」とあり、本文中に周さんの守護霊の意見として、こう記されていた。
「日本は、われわれの屍を乗り越えて国是を変えて、正しいものとは何かをはっきりと言える国になってください。できたら、自衛隊を送っていただきたい。邦人保護の名目で、自衛隊を送ってください。そしたらアメリカも動きますから」「アメリカ、イギリス、日本が軍隊を送ってきたら戦い続けることは可能です。戦うべきは今だと私は思います」
同党は、翌6日、守護霊の発言であることを強調した内容に差し替えてホームページに掲載。日本語・中国語繁体時・簡体字・英語で次のような声明を発表した。
「[声明]香港の民主活動家である周庭氏より、『幸福実現NEWS』特別号に掲載されている内容につき、一部削除要請がありましたが、本内容は、周庭氏の守護霊の発言を紹介したものであり、地上のご本人の発言ではありません。『霊言』とは、あの世の霊存在の言葉を語り下ろす現象です。私たち幸福実現党は宗教政党として、中国共産党の覇権主義を止め、香港および世界の自由・民主・信仰を護るためにこれからも戦い続けてまいります。」
中国メディアが「フェイク・ニュース」を流していた
周さんの指摘の前後に、幸福実現党の機関紙について、中国側が誤解を誘う「フェイク・ニュース」を流していたことは見逃せない。
約8900万のフォロワーを抱える中国国営中央テレビ(CCTV)のウェイボーや、香港の中国本土系のニュースサイトなどが、幸福実現党の機関紙の内容に触れ、「守護霊」や「邦人保護の名目で」という言葉を無視して、周さん本人が外国の軍隊に出兵を呼びかけたかのように報じ、批判した。
同党の機関紙が周さんに誤解を与えたことは残念だが、元々取り締まりたい周さんや香港デモに対して悪いイメージを植え付けるために、中国側が機関紙を利用している。
日本国内では、対中国に関して、同党と主張の近い保守系ネットメディアが同党を批判する事態も生まれているが、この点は、社会や国を分断して力を弱め、その地域を支配していく中国の「情報戦」が奏功しているのかもしれない。
他にも、全国紙や独立系ニュースサイトなどが、周さんの守護霊発言について報じるなど、「守護霊霊言」をめぐって国際社会を巻き込んだ論争に発展している。
香港支援に奔走してきた幸福実現党
ここで事実として押さえておきたいのは、これまでの香港デモに対する幸福実現党の動きだ。
香港デモが本格化した6月、同党は沖縄と東京で、「中国の覇権主義から香港・台湾・日本を守ろう」という数百人規模のデモを行った。周さんら活動家が逮捕された8月30日には、釈量子党首らが、東京の中国大使館前で緊急の抗議活動を行い、活動家の解放と中国の民主化を求めた。翌日、釈党首は香港に飛び、自由を守るために戦う人々の姿をSNSでレポートしている。
日本では、安倍政権や既存の政党が香港デモを静観したり、無視したりする中、幸福実現党は、中国の独裁体制から香港の自由を守ろうと、いち早く具体的な行動を起こしている。
霊言の収録は900回超、霊言集は500書超
今回注目されている「霊言」だが、大川総裁の霊言・リーディングの収録は900回を超えており、霊言集は500書以上に及び、全国の書店で発刊されている(2019年9月時点)。
書籍広告は、全国紙や地方紙をはじめ、さまざまな媒体に掲載されている。これは、霊言の内容に、真実性や公共性があると認められた裏返しと言える。
2008年11月に現れたオバマ氏の守護霊は、大統領就任前、国内問題に集中することを訴え、「将来、アメリカは『世界の警察』ではなくなる」と語っていた。その5年後の2013年9月、地上のオバマ氏本人がシリア問題に関するテレビ演説で、「アメリカは世界の警察官ではないとの考えに同意する」と発言した。
2010年10月に現れた習近平氏の守護霊は、当時、「穏健派」とも噂されていたが、霊言で「かつての大唐帝国や元朝のような世界帝国を建設して、『中国の時代が来た』ということを世界に告げたい」と語っていた。その2年後の2012年11月、国家主席となった地上の習氏本人は、中華民族の偉大な復興を意味する「中国の夢」をスローガンに掲げ、覇権拡大を目論む対外強硬派であることが明らかになった。
こうした霊言を知ったある自衛隊の元幹部は、早い段階で「日本は国防強化を急ぎ、対中国包囲網を築く必要がある」と確信を得た。アメリカの大統領候補にもなったある大物政治家や日本の政財界の重鎮、ある国の諜報機関など、重要な意思決定を担う人々や組織も、大川総裁の霊言の重要性を認識し、国の舵取りの指針にしている事実がある。
実は、今回の周さんの守護霊霊言とともに、中国の習近平国家主席の守護霊霊言も行われていた。その内容が収録された『自由のために、戦うべきは今 習近平vs.アグネス・チョウ守護霊霊言』(大川隆法著、幸福の科学出版刊)は、全国の書店で発刊されている。
同書で、習氏の守護霊は、「 中国本土のほうで、そういう『金融都市』はつくるつもりである。 (その計画が) 南部のほうで動いているので、香港が潰れてもいいし、ゴーストタウンでも構わない 」と、香港への武力弾圧を示唆。「 恐怖こそ、支配者のいちばんの道具 」と口にした。
これに対し、周さんの守護霊は、「 われわれは、もしかしたら死ぬかもしれないが、われわれが死ぬことによって、もし、周辺諸国や世界の国々が、『基本的人権を守り、神を信じる民主主義が正しいのだ』ということを確信できるなら、その死は無駄死にではない 」「 『戦うべきは今』だと私は思います 」などと語った。
この霊言では、香港問題において、習氏と周さんのどちらに「正義」があるか、という善悪が明確に記されている。善悪の価値判断が分かるという意味でも、一つひとつの霊言の価値は高い。
日本政府は「第二の天安門」を防ぐために、米英と連携すべき
霊言の終盤、周さんの守護霊は、「(香港に) 二万人の日本人がいるなら、『邦人保護』の名目で、どうか自衛隊を送ってください。 〈中略〉 アメリカ、イギリス、日本の三つが軍隊を送ってきたら、われわれは戦い続けることが可能です 」と話した。
外国に軍隊を送ることはハードルが高く見えるかもしれない。だが、国際社会において、自国民保護はごく当たり前のことだ。それは、香港での「第二の天安門事件」を防ぎ、周さんら活動する多くの香港市民が守られることにつながる。
日本政府は、アメリカのトランプ大統領、イギリスのジョンソン首相を巻き込んで、香港を守る必要がある。事態はそれほど切迫している。
今回、幸福実現党の機関紙が伝えたかったことは、香港で虐殺が始まる前に、日米英が主導して、中国の動きを封じることだろう。もちろん、戦争など望んでいない。アジアや世界の平和を願っている。
日本政府は今、虐殺や戦争を起こさないための決断を迫られている。
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