中国の次はインドの時代? 宗教大国3つのタブー / 現地ルポ 第2弾
2019.07.30
2019年9月号記事
現地ルポ 第2弾
中国の次はインドの時代?
宗教大国3つのタブー
10年以内に、世界最多の人口を持つとされるインド。
「中国の次」の市場として、注目するビジネスマンも多いはずだ。
ただ、国内には多くの問題を抱える。
現地を訪れ、「ヒンドゥー至上主義」「カースト」「女性差別」という3つのタブーに迫った。
(編集部 片岡眞有子)
急激に人口が増えるインド
(国際連合「World Population Prospects」2019から、編集部作成)写真:ロイター/アフロ
INDIAN REALITY 1
知っておきたい
インドの宗教・政治
ヒンドゥー教
- 主な神々
- ヴィシュヌ神
シヴァ神
ブラフマー神 - カースト制
- 強
- 特徴
- 多神教
牛を神聖視
大きくヴィシュヌ派とシヴァ派に分かれる
イスラム教
- 信仰対象
- アッラー
- カースト制
- 弱
- 特徴
- 人は神の前に平等で、人と神を仲介する聖職者はいないという教義
偶像崇拝を禁止
カーストから逃れるためにヒンドゥー教から改宗する人も
キリスト教
- 信仰対象
- 天なる父 イエス・キリスト
- カースト制
- 弱
- 特徴
- 神の子であるイエスが人類の罪を救済するために十字架にかかった
カーストから逃れるためにヒンドゥー教から改宗する人も
シーク教
- 信仰対象
- 唯一永遠なる神
- カースト制
- 反対
- 特徴
- ターバン着用が義務
ヒンドゥー教とイスラム神秘主義を融合した宗教
偶像崇拝を禁止
仏教
- 信仰対象
- 仏陀
- カースト制
- 反対
- 特徴
- 悟りによって人生の苦しみを滅する
仏陀の入滅後、出家集団中心の「上座部仏教」と、衆生救済を掲げる「大乗仏教」に分かれる
ジャイナ教
- 信仰対象
- 特になし
- カースト制
- 反対
- 特徴
- 徹底した苦行と禁欲主義による輪廻からの解脱を目指す
ほうきやマスクは、戒律の柱である「不殺生」を厳守するため
二大政党の関係は宗教対立と重なる!?
国民会議派
ラフル・ガンジー元総裁
(2019年7月辞任、7月19日時点で空席)
DATA
国民会議派
- 特徴
- 中道左派
- 主な支持層
- イスラム教徒、マイノリティ
- 思想
- ガンジーの説いた「非暴力主義」
- 創立背景
- 英植民地時代に開催されたインド人有志による会議がルーツ。インド最初の国民的な政党
インド人民党
ナレンドラ・モディ首相
(2014年~)
DATA
インド人民党
- 特徴
- 中道右派、グローバリズム
- 主な支持層
- ヒンドゥー教徒、保守層
- 思想
- 母体組織に起因する「ヒンドゥー至上主義」
- 創立背景
- ヒンドゥー至上主義団体「民族義勇団(RSS)」を母体として、1980年に発足
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次ページからのポイント
"ヒンドゥーリスク"がもたらす混乱
3000年続くカーストの縛り
インド女性を支配から解放するには
至高神信仰ですべての人が幸福に
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