「イランを脅すなら、イスラエルの核軍縮、国際的な監視を」 大川総裁が東京で講演・前編
2019.07.14
イラン問題に言及する、大川総裁。
イランとアメリカ・イギリスの対立が先鋭化し、中東情勢は緊張の度合いを増している。
この対立の背景には、イスラエルも加えた「イスラム教 対 キリスト教・ユダヤ教」という問題が複雑に絡み合っており、何を「正義」とすべきか難しく、他国も固唾をのんで見守っている。
そうした中、日本最大級の宗教で、世界100カ国以上に広がり、信者は約1200万人に及ぶ「幸福の科学」の大川隆法総裁が7月13日、東京都内のホテルイースト21東京で、「幸福への論点」と題して講演を行い、イラン問題について言及した。
本会場には約1500人が詰めかけ、講演の様子は全国に同時中継された。
「イスラム教は悪魔の教えではない」
大川総裁は講演で、日本の年金問題や、中国の侵略をはねのけようとしている香港や台湾などについて触れたが、もっとも力を入れたのは、中東問題だった。
総裁は、アメリカのトランプ大統領や高官がイランという国に対し、中国や北朝鮮のような専制政治を行っていると見ているだろうが、勉強不足であると喝破。
宗教家になる以前、総合商社に勤めていた時代に、中東地域との国際金融・貿易の仕事に携わった経験を踏まえ、「 イランは個人主義的な国です。アメリカが考えているような、トップ1人がいて、他の人々が全部押さえ込まれて、奴隷のように仕えている国ではありません 」と指摘した。
風習や文化の違いから多くの誤解が生まれており、例えば、欧米の人々が批判する「一夫多妻制」も、その発祥は、ムハンマドの時代に、戦争で夫を亡くした未亡人を、生活に余力のある男性が引き取った「社会福祉思想」から始まったと解説。
石打ちの刑や手足を切断される刑罰に触れ、「 風習の違いで受け入れられる部分と、世界各国から見て多少修正をかけた方がいい部分はあると思いますが、根本的に、イスラム教が悪魔の教えということはありません 」と説明した。
「イスラエルの核軍縮、過剰防衛を国際的に監視すべき」
大川総裁は、イスラム諸国と対立するイスラエルが、すでに核ミサイルや核爆弾を何百発も持っており、イスラム圏を全て支配できる軍事力があると指摘。そのイスラエルにアメリカが肩入れしている状況を踏まえて、次のように指摘した。
「 むしろ、イスラム圏の方が侵略されないように、一定の基準を設けなければいけないぐらいです。 (アメリカは) イランが核開発をしたらすぐ攻撃するという感じで脅しをかけていますが、それだったらイスラエルの核軍縮を同時にやるべきだと思います。 〈中略〉 イランに対して厳しい態度で臨むのもいいですが、同時に、イスラエルに対して、やはり過剰防衛しているところについては、国際的に監視すべきだと思います。そうでなければ、フェアではありません 」
「 イスラム諸国は、非常に日本と友好的なところが多い。何とか、欧米的価値観で理解できない部分を日本が埋めてあげなければいけないと考えています。それは大きな使命だと思います 」
そして、こう語った。
「(日本の) 同盟国であるアメリカが、イランを攻撃して、かつてのイラクみたいにボロボロにしてしまうことが望ましいなんて思っていません。それは単なる石油の利権のためだけに言っているのではありません。 〈中略〉(イランのような) 100%近い信仰心を持っている国があるというのは本当に奇跡に近いので、大事にしなければいけないのです 」
詰め掛けた聴衆は熱心に耳を傾けた。
「イエスが呼んだ『天なる父』と、ムハンマドが呼んだ『アッラー』は同一人物」
大川総裁は6月下旬以降、北海道、福岡、今回の東京と、3つの都市で数千人を集めた講演会を行っているが、いずれの講演会でも、「アメリカはイランを攻撃すべきではない」と苦言を呈している。
「 アメリカ側からは、北朝鮮とイランが同じように見えているのだろうと思うけれど、宗教的に霊的に見る限りは、同じものではないということです。イランは宗教大国としての長い歴史を持っていて、北朝鮮や中国のような個人独裁の専制政治とは違っています。 〈中略〉 イランに攻撃をかけるようなことは勇み足でやるべきではない 」(6月24日、北海道での講演)
「 イスラム圏の国が核武装することについては、国際社会がすごく厳しい目で見て、イスラエルが核武装しても、何も議論が起きなかった。やはり、二重の基準があると言わざるを得ない。これについては、中立の立場から見ておかし い」(7月6日、福岡での講演)
「 イエスが呼んだ『天なる父』と、ムハンマドが呼んだ『アッラー』は同一人物です。だから、キリスト教とイスラム教は同根なんです。同じ神様を信じておりながら、戦い合うのはやめていただきたい。 〈中略〉 これを仲裁できるのは、東洋の日本しかない 」(7月6日、福岡での講演)
説法回数は2900回超、発刊点数は2500書超、世界を股にかけた活動
立宗以来30年以上にわたる活動の中で、大川総裁は、驚くべき「足跡」を残し続けている。
説法回数は2900回を超え、そのうち英語説法は130回以上。また、著作は31言語に翻訳され、書籍の発刊点数は全世界で2500書を超え、そのうち公開霊言シリーズは500書以上。内容は、宗教、政治、経済、国際関係、教育、科学、医療、芸能など多岐に渡り、多くの人々の幸福への指針となっている。
すでに世界5大陸で講演を行っており、今年3月には、中国の侵略の危機が迫る台湾で講演。「台湾は中国とは別の国家である」と指摘するなど、文字通り、世界を股にかけた活動を展開している。
毎年7月に開かれる「御生誕祭」、12月の「エル・カンターレ祭」は、幸福の科学の二大祭典であり、全国・全世界3500カ所に衛星中継される。2017年夏、東京ドームで行った御生誕祭には、平日の夜にもかかわらず、本会場だけでも5万人以上が参加している。
大川総裁の本講演では、他にも次のような論点への言及があった。
- 2011年、総裁の香港講演後、現地で起きていること
- アメリカがイスラム教国に対して誤解していること
- 在家時代の商社で、総裁が知ったイスラム教国の風習
- 中国で、「今の体制を変えたい」と思っている人の割合とは?
- 2011年、総裁のフィリピン講演時に、現地で起きたこと
- この30年間、政治家や官僚が受けてきた影響とは?
- 「この世とあの世を貫く幸福」を説く幸福の科学
ここに紹介したのは法話のごく一部です。
詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
・幸福の科学サービスセンター Tel:03-5793-1727
火~金/10:00~20:00 土日祝(月曜を除く)/10:00~18:00
・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス
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2019年7月9日付本欄 心震える政見放送を全文掲載 幸福実現党・釈量子党首 「日本は世界のリーダーになるべき!」
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2019年7月6日付本欄 「アメリカなら幸福実現党の考え方で大統領が出る」 大川総裁が福岡で講演
https://the-liberty.com/article/15992/
2019年7月4日付本欄 「安い税金」「小さな政府」 幸福実現党の釈量子党首、七海ひろこ候補が第一声
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