インタビュー アーサー・B.ラッファー / 減税で繁栄する町・増税で没落する町 - 人口減少ニッポン「稼ぐまち」が人口を増やす - Part3

2019.02.27

2019年4月号記事

国造りプロジェクト Vol.05

人口減少ニッポン

「稼ぐまち」が人口を増やす


contents

インタビュー アーサー・B.ラッファー / 減税で繁栄する町・増税で没落する町 - 人口減少ニッポン「稼ぐまち」が人口を増やす - Part3

インタビュー アーサー・B.ラッファー / 減税で繁栄する町・増税で没落する町 - 人口減少ニッポン「稼ぐまち」が人口を増やす - Part3


減税で繁栄する町
増税で没落する町

地方が活性化し、人口増に転換させるために何が必要か。

トランプ米政権の経済ブレーンで、アメリカの各州レベルの経済政策についても研究してきた、経済学者ラッファー氏に話を聞いた。

トランプ大統領の経済顧問

アーサー・B.ラッファー

(Arthur B. Laffer)1940年生まれ。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で博士号を取得。経済調査とコンサルティングのラッファー・アソシエーション会長。レーガノミクスの元となったサプライサイド経済学の父。大統領選挙中よりトランプ氏の経済政策顧問を務める。著書に『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)などがある。

1958年当時。繁栄していた時のデトロイト市のウッドワード通り。

2013年当時。財政破たんしたデトロイトの街。「増税は経済爆弾なのです」(ラッファー氏)。写真:picture alliance/アフロ

──ラッファー氏は、アメリカの各州の経済成長の要因についても研究してこられました。

ラッファー氏(以下、ラ) : 長年の研究を通じ、各州の税に関する政策によって、一定のパターンがあることが見えてきたのです。

例えばミシガン州です。その最大都市デトロイトは、私の子供のころは、「北米のパリ」と言われるほど繁栄を誇っていました。でも今は、原爆を落とされた都市のように荒廃した街になってしまいました。多くの人が他州に移転し、人口は1950年代のピーク時の185万人から67万人に減りました。

所得税の導入で州は没落

──なぜミシガン州は没落したのでしょうか。

: 筆頭に挙げられるのは「所得税」です。ミシガンを含む11の州が、60年代から所得税を導入し始めました。結果として、 所得税を導入した州は、人口、税収、GSP(州の総生産)、公共サービスのすべての経済指標で低下しました。

次ページからのポイント

増税で公共サービスも低下

人口減少に打ち克つ「親日外国人」移民

人も企業も呼び寄せる「交通革命」

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