「憲法9条を変える必要なし」 メア発言に表れた対日政策の根幹
2011.03.11
米国務省は10日、ケビン・メア日本部長が沖縄県民について「ごまかしとゆすりの名人」などと発言した問題で、同氏を更迭した。
沖縄県民に関し、「合意を追い求めるふりをして、できるだけ多くの金を得ようとする」「沖縄の人は怠惰」と述べたことは、米政府担当者として許される発言ではない。
ただ、一つひとつの内容を見れば、米政府側の「本音」が見え、参考になる。「日米安保条約は非対称で、日本はアメリカの犠牲によって利益を得る」「米軍はあり得る実戦展開に備えて訓練しているが、自衛隊は実際の展開に備えることなく訓練をしている」などがそうだ。
これらの発言はワシントンの大学での発言だが、オフレコが前提で、ふだん国務省内で交わされているニュアンスを含む。日本の外交・安保にとって問題なのは、次の「本音」だ。
「私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている」「日本の憲法が変わると、日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってよくない」
アメリカの対日政策には二種類あると言われている。アメリカと中国が共同して日本を抑え込む「共同封じ込め」政策と、日本を抑え込みつつ日本の自衛隊を利用して中国を抑え込む「二重封じ込め」政策だ。前者はメア氏の属する国務省や民主党に強く、後者は国防総省や共和党に強い。
しかしながら、両者とも自主防衛力を持たせない点で共通する。つまり、日本を実質的な独立国として認めないスタンスだ。そのアメリカの対日政策の根幹が、メア氏の「憲法9条を変える必要はない」という発言に表れている。(織)
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