Interview 地域を発展させる「秘策」 - 幸福実現党 大阪府

2018.08.29

2018年10月号記事

Interview

地域を発展させる「秘策」

大阪府

全国で活動する幸福実現党の代表者に、地域発展の提言・取り組みについて聞いた。


商都大阪の「魂」を取り戻す

町人の力で発展してきた大阪。どうすれば再び盛り上がるのか。

(聞き手・片岡眞有子)

幸福実現党
大阪府本部 副代表

数森 圭吾

(かずもり けいご) 1979年9月24日、大阪府大阪狭山市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、JFE商事(株)を経て、HS政経塾第4期生。塾では、主に中小企業の事業承継税制について研究した。

「大阪人の持つ公益精神を取り戻したいんです」

大阪で生まれ育った数森圭吾氏は、熱を込めてそう語る。

高校生の時に政治家を志した数森氏は、早稲田大学を卒業後、大手商社に入社する。9年間にわたって営業職を務め、経済の動きを肌身で感じた。その後、本格的に政治家を目指すため退社。HS政経塾(*)で政治経済を学び直した。現在は大阪に戻り、府民一人ひとりに「困りごと」を聴いて回りながら、大学での講義やロータリークラブへの参加などの活動を続ける。

大阪は「商都」と呼ばれ、大阪にルーツを持つ大企業も多い。しかし、企業が次々と流出し、ついにGDP全国2位の座を愛知に譲り渡した。

「松下幸之助は大阪を代表する経営者ですが、その神髄が現れているのが、戦後の復興に向けた取り組みでしょう。生産こそ復興の基盤。そう考え、大阪、ひいては日本全体を元気にするため、空襲で荒廃した大阪に次々と工場を建てました」(数森氏)

終戦翌日の1945年8月16日、松下は経営幹部を本社に集め、経営方針を打ち出した。松下電器が民需生産の先陣を切ることで、物資を充足させ失業をなくす。社員にそう語り込み、資金繰りが苦しい中、日本復興のために生産を拡大し続けた。

数森氏は、大阪商人の姿は世界にも影響を与えたとして、次のように述べる。

「実は、5月にマレーシア首相に返り咲いたマハティール氏は、戦後の大阪を訪れていました。焼け跡が残る土地に松下電器の工場が建っているのを見て、『度肝を抜かれた』と話しています。力強く前進していく底力に、衝撃を受けたようです。マハティール首相が掲げるルックイースト政策は、"ルック大阪"でもあったと言えるでしょう」

数森氏はこう続けた。

「大阪の偉大な商人は、自分が儲けるためではなく、『地域や日本を発展させたい』という一念で事業を興しました。歴史的に、大阪は商人が支えてきた街。お上に頼るのではなく、自分たちで街づくりをする。これこそが、"大阪魂"ではないでしょうか」

大阪の人々と接する中で、こうした魂が流れていることを実感するという。

日本三大祭の一つである天神祭など大阪では祭りが盛んだが、これを支えるのは地域の人々。数森氏はボランティアとしてさまざまな祭りに参加し、地元住民の活躍を間近で見てきた。

「数カ月前から準備をされる姿から、地元への深い愛を感じます。まさに、自分たちで街を盛り上げるという大阪精神ですよね。こうした人を増やすことが、大阪の発展につながります」

(*)幸福の科学・大川隆法総裁が創立した「政界・財界で活躍するエリート養成のための社会人教育機関」。

減税で"大阪魂"を取り戻す

〈上〉7月には天神祭を支える地元講社・神鉾講に参加した。〈下〉地元印刷所の協力を受け、大阪の繁栄を描く「商都大阪新聞」を隔月で発行している

受け継がれてきた大阪魂を輝かせたい―。そう願い、数森氏が訴えるのが減税だ。

大阪を回る中で数森氏が耳にするのは、重税に苦しむ声だ。原材料も課税対象であるため、商品価格が上がることは必至だが、企業は材料費の引き下げに身を砕き、下請けはその余波を受ける。家計を守る主婦は、跳ね上がる生活用品の値段に財布の紐を締める。買う側も売る側も苦しくなる一方だ。

「税負担が大きいと府民の活力が奪われ、公益精神も発揮しづらくなります。消費税増税によって、中小企業はすでに青色吐息です。減税で、自由に商売をできる大阪を取り戻したい」

大阪で生まれ育ち、東京で学び働いた数森氏。大阪が秘める可能性をこう描く。

「商都として発展し、日本全体の発展に貢献する。それが大阪の使命のはずです」

大阪魂に火を付けるため、数森氏は街を走り続ける。


大阪市から「働きたいけど働けない」をなくす

幸福実現党
大阪市中央区地区代表

松阪 功

(まつざか いさお) 1957年、大阪府大阪市生まれ。大阪市立大学生活科学部を卒業後、大阪市役所に37年間務める。現在は、高齢者や障害者の雇用創出などに取り組む。

大阪市役所の職員として、37年ほど福祉の現場に携わってきました。生活保護のケースワーカーや、ケースワーカーの指導員なども経験しましたが、真の福祉とは「人々に活躍の場を提供すること」だと実感しています。

もちろんセーフティーネットは大切ですが、金銭を与えることだけが福祉の目的ではないはずです。人間は、社会に貢献したり、他者を幸せにしたりすることに幸福を覚えるもの。したがって、福祉政策に求められているのは、何よりも「雇用の創出」です。

例えば、作業工程を細かく分ければ、障害を持つ方や高齢者もそれぞれの作業のプロとして活躍できます。こうした試みは全国で行われており、自転車分解などの仕事をホームレスの方に提供する民間団体もあります。民間の取り組みを応援しながら、官民一体となって、大阪市に「活躍の場」を創出していきます。


インフラ整備で
枚方の景気と安全を支える

幸福実現党
枚方市地区代表

茂呂 佳充

(もろ まさみつ) 1948年、岡山県生まれ。大阪府立園芸高校卒業後、大手飲料メーカーに46年間務める。現在は枚方市のインフラ整備を推進する活動などに従事する。

枚方は、発展の可能性を秘めた土地です。第二京阪道路が開通したことで、東部地域の企業団地が活性化し、雇用が創出されています。

しかし、各企業団地につながる道路と高速道路の連結が悪く、交通渋滞が慢性化しています。立体交差化などで交通をスムーズにすれば、「物流の中心地」として、枚方の産業はさらに発展するでしょう。地域産業が活性化すれば、税収が上がり、財源も確保できます。

歩道のない道路が多く「不安だ」という声も聞きます。子供や高齢者が安心して出歩けるよう、歩道の整備を進めたいと考えています。

災害防止の面でも、インフラは不可欠です。豪雨による河川氾濫を防ぐため、トンネル貯水槽を地下に設置する作業が進められていますが、後手に回らないよう、迅速かつ広範囲に設置する必要があります。インフラ整備をすすめ、枚方の発展と安全を実現します。


安心して子供を育てられる吹田にしたい

幸福実現党
吹田市地区代表

安積 利顕

(あさか としあき) 1965年、兵庫県生まれ。大阪経済大学を卒業後、富士ゼロックスに入社し、営業部門に30年務める。自治会の体育委員として、運動会などの運営を行う。

吹田に移り住んで20年以上。この地で2人の子供を育てました。吹田に恩返しをしたいと思い、少年サッカーのサポートなど地域活動を続けています。

吹田市はガンバ大阪の本拠地でもあり、スポーツが盛ん。医療施設や大学も多く、若者の移住が増える一方で、待機児童が問題となっています。

待機児童の解決には、民間が保育所経営に自由に参入できる環境が不可欠です。東京都や横浜市のように規制を緩和し、保育施設を増やしたいと考えています。

さらに、安心して子育てをできる街にするため、「いじめ防止条例」を制定したい。私の息子も小学生の時にいじめに遭いました。いじめられた子供を守るのみでなく、いじめている子供を立ち直らせるためにも、隠ぺいした教師や学校への罰則を明確にする必要があります。地域全体で子供を守り育てる吹田を目指したいです。


世代を越えた地域交流で
寝屋川を安全な街に

幸福実現党
寝屋川市地区代表

森畑 浩治

(もりはた こうじ) 1966年、大阪府門真市生まれ。大阪府立門真高等学校卒業後、寝屋川市内の大手自動車部品メーカーに就職。自治会役員を務める。

寝屋川を、子供や高齢者も安心して出歩ける街にしたいと思い、地域での活動を続けています。

安全な街づくりには、住民同士のコミュニケーションが不可欠。地域のつながりが強まれば、街全体で防犯体制をつくることができます。しかし、住民交流を支える自治会は、50代の私が"若者"扱いされるほどに高齢化が深刻です。「子供会」で子供同士が交流できるなど、自治会ならではの魅力を訴え、若者の参加を促す必要があります。

自治会などの地域組織を次世代につなげることは、防災面においても重要です。現在、私は避難所開設マニュアルの作成に携わっていますが、事前に近隣住民で役割を分担しておくことで、いざという時にスムーズに避難することができます。世代を越えて地域のつながりを強めることで、寝屋川を安心・安全な街にします。


交野を、誇りと生きがいを
持てる街にしたい

幸福実現党
交野市地区代表

北村 満里子

(きたむら まりこ) 1959年、大阪府茨木市生まれ。結婚を機に交野市に移住。「私部城跡を活かし守る会」を発足させ、城跡の保存に働きかけている。

交野に移り住んで40年近くが経ちました。交野には、天から降りてきた「天の磐船」を祀る磐船神社や、全国でも珍しい平地に築かれた私部城の遺構があります。神話や伝統を守るため、観光協会や地域同好会の方々と「私部城跡を活かし守る会」を発足させました。

また、高齢化が進む中、交野の中心地である私部に住居や医療施設を集め、高齢者が自分の足で歩いて暮らせる街をつくりたいと考えています。コンパクトシティの実現で、働きたい高齢者の雇用促進もスムーズになります。また、施設が密集することで、地域の住民同士のコミュニケーションも活性化し、幼稚園や保育園から定期的に子供たちが老人ホームに通うなど、世代を越えた交流も起きやすくなります。

交野を、「誇り」と「生きがい」を持てる街にするため、今後も活動を続けて参ります。


市民が地元愛を発揮できる
守口を目指す

幸福実現党
守口市地区代表

道場 明子

(みちば あきこ) 1971年、広島県生まれ。大阪学院短期大学を卒業後、教育関連の民間企業に勤務。結婚後、ボランティア団体「はっぴぃ・ムーブメント」を立ち上げる。

地域を活性化するため、4年前にボランティア団体を立ち上げ、フリーマーケットや清掃活動などを続けています。

ある地域では、隔週のフリーマーケットを4年ほど続けています。「3日間誰とも話していなかった」という独り暮らしの高齢者もお越しになるなど、地域の交流の場となっています。また、「廃校の木が邪魔だ」「不法投棄がひどい」というお声を聞いた際には、市に要請して改善していただきました。

「地域をよくしたい」という思いを発揮しやすい守口にしたいと考えています。例えば、不法投棄を撤去したいと思っても、場所によって担当窓口が違うため、なかなか作業が進みません。ボランティアでゴミ拾いをしたとしても、一定の量がなければ家庭ごみとして処理する必要があります。民間活動を妨げる要因を一つひとつ取り除き、市民が活発に地域貢献できる街づくりを目指します。


四條畷に、学ぶ環境と
働く場所をつくる

幸福実現党
四條畷市地区代表

毎田 佑佳

(まいだ ゆか) 1985年、大阪府四條畷市生まれ。奈良女子大学を卒業後、富士通関西システムズでシステムエンジニアとして勤務。現在は、徳育を広める活動などを行う。

生まれ育った四條畷市に、「教育」で恩返しをしたい。そう思い、4年前に、実験を通して学ぶ喜びを伝える個人塾「みらい」を開校しました。

四條畷高校は大阪でもトップクラスの公立高校ですが、市民の在籍率はわずか。いじめや学級崩壊などの問題も全国的に指摘されており、安心して学べる環境が求められています。既存のいじめ防止条例を見直し、隠ぺいした学校側への罰則を明記すべきです。

四條畷は舗装されていない道路や狭い道が多く、街灯がない場所も散見されます。安心・安全・清潔な街づくりによって移住者を呼び込み、活気あふれた街にしたい。また、働く場所がないというお声をよく聞きます。近隣には大阪電気通信大学や大阪産業大学もあるので、製造業で産学官の連携を推進し、産業創出につなげたい。同時に、起業支援を行い、「チャレンジできる街」を目指します。


誰もが活躍できる「生きがいの町」忠岡に

幸福実現党
忠岡町地区代表

田辺 みき

(たなべ みき) 1961年、愛知県生まれ。南山大学卒業後、商社に入社。その後、3人の子供を育てながら学校法人に15年ほど勤める。精神保健福祉士の資格を持つ。

女性や高齢者、障害を持った方が活躍できる町づくりに貢献したいという思いから、忠岡の福祉政策協議会で委員も務めています。

親類の縁で忠岡に移り住み、3人の子供を育てました。シングルマザーとして、夜遅くまで働きながらの子育てでしたが、親類や近隣の方々の協力で、3人とも独り立ちしました。そうした地域への「ご恩」があるので、困っていらっしゃる方のお力になりたいのです。

例えば、忠岡には元気な高齢者がたくさんいらっしゃる一方で、子育てと仕事の両立に悩むお母様も。経験豊富な高齢者に子供のお世話をしてもらうボランティアの場を設けることで、働く女性の支援と高齢者の生きがいづくりが可能です。障害を持った方の就労支援も進めたい。熱意を持って雇用にあたる企業などを町として応援し、誰もが可能性を生かして活躍できる町を目指します。


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