ティラーソン国務長官の解任とポンペオ氏の就任 「北の非核化」は譲れない
2018.03.16
国務長官を解任されたティラーソン氏(a katz / Shutterstock.com)。
《本記事のポイント》
- トランプ大統領はティラーソン国務長官を解任し、ポンペオ氏を新国務長官に起用
- ポンペオ氏は、金正恩体制の転換を示唆していた
- トランプ政権が妥協しないよう、日本は「北の非核化」を求め続けるべき
トランプ米大統領が、レックス・ティラーソン国務長官を解任し、代わりに中央情報局(CIA)長官のマイク・ポンペオ氏を次期国務長官にすると発表し、世界に衝撃が走った。
確かにトランプ氏とティラーソン氏は、外交方針が大きく異なっていた。例えば北朝鮮問題では、トランプ氏は「最大限の圧力」をかけることを重視したが、ティラーソン氏は「対話重視」で、外交的な解決を最優先していた。
一方、ポンペオ氏は、北朝鮮や中国に対して強硬な姿勢を示す「保守強硬派」。トランプ氏が「常に波長が合っている」と言うほど、トランプ氏と考え方が似ている。
5月には、米朝首脳会談が控えている。「対話路線のティラーソン氏では北朝鮮に有利な状況になる恐れがある」と考えたトランプ氏が、強硬派のポンペオ氏を国務長官に据えることで、「金正恩体制に妥協せず、非核化に向けて一丸となる」という意思を示したと、各紙は報じている。
「体制転換」で北に核を放棄させる?
ポンペオ氏はCIA長官として、北朝鮮問題を「最優先課題」と位置付けて「朝鮮ミッションセンター」を発足させ、北朝鮮の情報分析などをトランプ氏に説明していた人物だ。
昨年7月のワシントン・タイムズのインタビューでは、北朝鮮の非核化を外交で実現させることが困難となった場合に備え、「秘密工作や戦友の支援などの情報作戦を提示する準備を進めている」と語っていた。
また同月の安全保障関連の会合では、「金正恩体制を核システムから切り離すことはできると思う。北朝鮮の人々も彼が去るのを見たいと思う」と指摘。今年1月には、「北朝鮮がアメリカ本土に到達できるミサイルを開発するのに、あと数カ月しか残っていない可能性が大きい」と語っていた。
北の体制転換や先制攻撃にも前向きと言われるポンペオ氏が国務長官に起用されたということは、「トランプ政権は何らかの方法で北の体制転換を成し遂げる可能性が高まった」と言えるのかもしれない。
しかし一方で、麗澤大学の西岡力客員教授は、「(金委員長が)『米国まで届く核ミサイルの放棄』というカードを切り、その見返りとして『米朝平和条約の締結と米軍撤退』を求めてくる可能性がある。文政権はこの取引に賛成するかもしれない。トランプ政権も朝鮮半島の自由化のために米軍を使う意思はないから、取引に乗る危険性がある」とも指摘している(15日付産経新聞)。
トランプ政権はできるかぎり軍事行動は避けたいと考えているため、北朝鮮に妥協する可能性も否定できない。米朝首脳会談の行方は、予断を許さない。
日本はアメリカの尻を叩く役割を果たすべき
大川隆法・幸福の科学総裁は8日、文在寅・韓国大統領の守護霊と金委員長の守護霊を呼び出し、霊言を収録。金委員長の守護霊は核兵器を捨てる気はまったくないとし、トランプ氏の任期が終わるまで、戦争の口実を与えないよう時間稼ぎをして、条件交渉と援助を引き出すつもりだと語った。
大川総裁は霊言後、「最終的にはやっぱり北朝鮮は滅びると思います」と締めくくった。
守護霊の意見は、生きている本人の本心を表していることが多い。そのことから考えると、北朝鮮と交渉したところで非核化が成し遂げられる可能性は極めて低い。日本にとってみれば、北朝鮮の非核化が成し遂げられなければ、永遠に核で脅され続けることになる。非核化を成し遂げるには、何らかの方法で体制転換をするしか方法はないだろう。
ポンペオ氏が国務長官に就任したことは、日本にとってはよい流れと言える。安倍首相は4月初めの日米首脳会談で、トランプ氏に「北朝鮮の非核化」を成し遂げるよう、きちんと訴え、アメリカが世界の警察官に復帰するよう、尻を叩かなくてはならない。
(山本泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『文在寅守護霊 vs. 金正恩守護霊』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2012
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「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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