サンフランシスコに慰安婦像 カナダで南京大虐殺記念日 日本は歴史戦に惨敗中
2017.11.24
写真:市民団体Comfort Women Justice Coalitionのフェイスブックより
《本記事のポイント》
- 米サンフランシスコ市へ寄贈された慰安婦像を市長が受け入れる署名
- カナダでも南京大虐殺記念日の制定や関連施設の建設などの動きが活発化
- 日本の政府見解を改め、正しい歴史認識を世界に広める活動を
米サンフランシスコ市のエドウィン・リー市長は22日、中国系米国人らの市民団体が同市内に建てた慰安婦像と、その維持費の寄贈を受け入れる決議案に署名した。アメリカで公有地に慰安婦像が設置されるのは米西部カリフォルニア州グレンデール市と南部ジョージア州ブルックヘブン市に続いて3例目となる。
サンフランシスコ市と姉妹都市関係を結ぶ大阪市の吉村洋文市長はリー氏に対し、この決議案を拒否しなければ姉妹都市提携を解消すると申し入れており、安倍晋三首相も「極めて遺憾だ」とリー氏に決議拒否を求めていた。しかしリー氏は今回、署名によって像受け入れの意思を明確に示し、60年続いた両市の姉妹都市提携の解消が決定的となっている。
事実誤認の「慰安婦」を既成事実化
この像の碑文には「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」と書かれており、中国や韓国側による一方的な歴史認識が既成事実化する危険性がある。
しかし、「日本軍が朝鮮人女性20万人を誘拐し、性奴隷にしていた」というのは、全くの事実誤認だ。第二次大戦中、日本兵士が戦地で慰安婦を利用していた事実はあったが、そうした女性を集めたのは民間の業者であり、むしろ、当時の日本政府は悪質な業者を取り締まっていた。
また、米軍の諜報機関だった戦争情報局(OWI)の報告書によると、当時の慰安婦は日本軍の大将以上の給料を得て、客に対しても断る権利があったことも明かされている。慰安婦は、「日本軍が誘拐して強制的に性奴隷にした」わけではなく、「志願した」か、あるいは「不本意ながら業者に売られて売春婦になった」というのが歴史的事実といえる。
それでも世界中で慰安婦像が増え続けているのは、日本政府が公式見解として日本軍による慰安婦の強制連行を事実上認めているからだ。韓国の元慰安婦らが1991年に日本政府に対して補償を求めて提訴した際、当時の河野洋平官房長官は、慰安婦の強制連行への日本軍の関与を認める「河野談話」を発表した。
日本政府は、次々に増えていく慰安婦像の設置について「遺憾だ」と述べるだけでなく、「河野談話」を継承してきた政府見解を改めるとともに、正しい歴史認識を世界に広げる具体的な行動を起こす必要がある。
カナダで次々と「南京大虐殺記念日」制定の動き
また、カナダのオンタリオ州とマニトバ州の議会では、毎年12月13日を「南京大虐殺記念日」に定める動きが進んでおり、今後、こうした動きが北米全体に広がることが懸念される。
特に反日的な歴史戦が活発化しているオンタリオ州の州都トロントでは、10月末から中国系団体などが「南京大虐殺文物史料・証人証言写真展」を開催。今年の12月13日は南京大虐殺80周年にあたり、カナダの80団体が慰霊祭を行う予定だ。
さらに、南京大虐殺に関する歴史的な資料などを集めた「アジア・パシフィック・ピース・ミュージアム」も2019年、カナダのトロントで開館する予定となっている。すでにあるホームページを見ると、「南京大虐殺」が、日本に投下された原爆やドイツのアウシュヴィッツ強制収容所などと同じく、「まぎれもない歴史的事実」であるかのように扱われていることが分かる。
「南京大虐殺はなかった」のが歴史の真実
日本政府の「南京大虐殺」についての公式見解は、次のようなものである。
「いわゆる『南京事件』については、昭和12年の旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為があったことは否定できないと考えているが、その具体的な数については、様々な議論があることもあり、政府として断定することは困難である」
つまり、日本政府は公式見解で「南京大虐殺」があったことを否定はしていないのが現状だ。
しかし、慰安婦問題と同様に、「南京大虐殺はなかった」ということが歴史の真実だ。その根拠としては、主に以下のポイントが挙げられる。
日本軍が南京を占領して以降、南京の人口が増えた。
日本軍と戦った中国国民党の蒋介石は当時、外国人記者を相手に約300回の会見を開いたが、1度も「大虐殺」に触れていない。
世界で初めて「南京大虐殺」の本を出版したオーストラリア人記者は、中国国民党のスパイだった。
東京裁判が認定した遺体処理の数字が、戦後、嘘だと分かった。
中国・韓国系の市民団体は世界中で、日本を貶めるねつ造の歴史をあらゆる方法で広めている。日本の国益を守るためにも、中国・韓国と未来志向の関係を築いていくためにも、これ以上誤った歴史認識が世界に広がることを看過すべきではない。政府と民間が協力して、正しい歴史を広めていく活動が必要だ。
(小林真由美)
【関連サイト】
【THE FACT】【これはひどい】市議が日本人を侮辱!? サンフランシスコ市 慰安婦像採択の裏側
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