トランプ大統領が初めての訪中 「地球規模の脅威」である中国との対決
2017.11.10
トランプ大統領が8日に訪れた中国の故宮。
《本記事のポイント》
- トランプ大統領と習近平国家主席が会談した
- 米中の貿易不均衡の是正は、まだ先になる
- 中国こそ、「地球規模の脅威」であり「監獄国家」
トランプ米大統領は9日、中国の習近平国家主席と北京の人民大会堂で会談した。会談の大きなテーマとなったのが、「北朝鮮」と「米中間の貿易不均衡」の問題だった。
会談後の共同記者会見で、トランプ大統領は「完全に北朝鮮を非核化することで合意した。経済的な圧力を強め、北朝鮮が無謀な道を放棄するまで続ける」と指摘。習主席は「(米中関係の)協力こそが唯一の正しい選択肢」と語った。貿易不均衡の是正については、米中両国で約2500億ドル(約28兆円)の商談がまとまったことも明らかにした。
商談の中身は、中国企業による対米投資や米国製品の購入が中心となったものの、正式な契約でないものや、複数年にわたるものも多いとみられる。
北朝鮮への圧力強化を優先!?
会談前日の8日には、世界文化遺産である、明朝・清朝の歴代皇帝が暮らした故宮(旧紫禁城)内で晩さん会が開かれるなど、トランプ大統領は「国賓以上」の待遇を受けていた。
これについて、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(9日付)は、「中国はトランプ氏を厚遇と商談でおだて上げようとしているようだ。そうした商取引はトランプ氏の支持基盤にはアピールできそうだが、通商面での緊張を和らげる効果はほとんど期待できない。エコノミストらは、北京で交わされた契約によって米中の貿易不均衡が目に見えて縮小することはないとみている」と指摘している。
昨年のアメリカの対中貿易赤字は、3470億ドル(約40兆円)。トランプ大統領が問題視する米中間の貿易不均衡の解決までの道のりは遠そうだ。ただその一方で、トランプ大統領が、北朝鮮への圧力強化に対する中国の協力を優先している可能性もあると言える。
「地球規模の脅威」であり「監獄国家」である中国
訪中前にトランプ大統領は、韓国国会で北朝鮮を「地球規模の脅威」「監獄国家」などと批判。「アメリカは力を通じた平和を実現させる。安全、繁栄と神聖なる自由を守る」と演説していた。
「地球規模の脅威」であり、「監獄国家」であるのは、独裁国家である中国も同じだ。
中国は1940~60年代にかけて、内モンゴル、ウイグル、チベットなどを侵略し、独立運動家を数十万~数百万人の単位で殺害。文化大革命が起きた1960年代には、約3800万人を餓死させ、天安門事件でも数千~数万人を虐殺したとされている。現在も、数多くの人権活動家らを拘束したり、自宅軟禁したりしている。
そんな中国が、一帯一路構想の下、「世界帝国」をつくる動きを加速させている。もし、この構想が実現すれば、アジアやアフリカ、ヨーロッパ、中東の自由は失われるだろう。
その点、トランプ大統領は、その中国の脅威を認識している。北朝鮮問題をうまく解決できれば、中国を西側陣営に引き込むことも可能だ。そうなれば、中国と戦わずに済むだろう。
今回の訪日で、トランプ大統領と安倍晋三首相は、「中国包囲網」についての話をしたとみられる。東アジアに残る冷戦に終止符を打つためにも、日本は一層のリーダーシップを持ち、平和構築への責任を果たしていく責務がある。
(山本泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『秦の始皇帝の霊言 2100 中国・世界帝国への戦略』 大川隆法著
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