リビア、反体制デモを政府が弾圧
2011.02.22
15日から続くリビアの反体制デモは20日、ついに首都トリポリにも波及。治安部隊は弾圧を続け、15日からの死者は既に250人にのぼったとの情報もある。また同日、カダフィ大佐の次男セイフ・イスラム氏は改革を行うと表明したが、反体制派とは「最後まで戦う」としており、弾圧を続ける方針を示している。
しかし政権内部にも亀裂が生じ、アラブ連盟担当大使と駐印、駐中大使がデモ弾圧に抗議して辞任。また軍や警察が反体制側に寝返り、東部一帯は反体制側が制圧したとの情報や、政権幹部が大佐に退陣を求めているとの情報もある。米政府当局も弾圧を牽制すべく「全ての適切な行動」を検討すると共に、意義ある改革の見込みがあるか分析中だとしている。
テロを支援するなど強硬な反米派だったカダフィ大佐は03年、イラクのフセイン政権が崩壊して以降、大量破壊兵器開発計画の破棄を表明し、国際協調路線に転じていた。だが米国がイラク、エジプトと親米政権を次々に見離す中、直ちに弾圧を止めて抜本的な改革を行わない限り、カダフィ大佐が政権を維持できる見込みは少ないのではないか。また一つ新たな「民主化」が達成される日は近いかもしれない。(由)
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